最近は日経ダウ225指数も2年前の大底の7000円台から、随分と上がって20000円を記録しました。そして、最近は20000円の大台をつけて、めでたしというような政治家もいれば、2万円がいっぱいいっぱいでしばらくはこのレベルで相場はこう着するなどと言う証券会社のストラテジストもいます。株価水準が妥当かどうか本当はわかるわけがないのですね。もしわかるならばそこでもうけを確定したり、またあらためて、買い始めたりするはずです。私が運用していた時代は指数のETFなどは無くて、インデックスは横目に見て、もっぱら個別銘柄に意識を集中していました。
只、20000円には意味があるとは思います。それは目標になっているということです。なんでも値の付くものには、妥当な居場所というものがあって、インフレ経済政策が狙いとした日本の株式環境がたどりついた一つのステップであることは確かです。神社の階段を上がるときに10段毎くらいに足を休める平らな場所がありますが、人間はエネルギーを出しっぱなしにはできないで、一休みをしてまた高いところ目指して階段を上がりはじめるということです。
さて、それでは20000円というところは高いのか安いのか。絶対値では何とも言えません。ただ1989年のバブルの最後には日経225のPERは60倍にも達していました。今はまだ冷静で、狂気じみた投資家は出ていませんので、この同じPERも17倍に落ち着いています。つまり、利益に映してみれば、高いということでもないのです。2016.3ではきっと15%くらいの増益はあるでしょう。市場が許容するPERが20xだとするとあと10%程度の日経225の上値があってもいいのです。問題は今のエンジンが日銀とGPIFと郵政が一緒になって強力な買い手だということ。何が問題かは、公的資金が市場の主役を張っているいうことでしょうか。面白くないですね。カジノに我々が楽しもうとやってきたら、お役人がルーレットの真ん中にいたことがわかったみたいな。
多くの投資家が公金が買い手の主力だということがわかっているので、警戒感はものすごく強くて、かつてのように気が狂ったように儲けを追いかけないのですね。そのうち、遅れて個人のお金が銀行を離れて株式市場での配当取りや、株主優待を狙って出てくるときが来るとすれば、もうそれが終わりのサインになる気がします。株主優遇が目玉で、あとは魅力のない株が高値で推移しているのを見ると、いまどき、株主優遇は企業にとって大変なリスク回避のツールなんだなと思います。