今年の株主総会では、企業のトップが謝ってばかり、という印象でした。「世間をお騒がせしました」とか「ご迷惑をおかけしました」とか、頭を下げて、謝っている言葉が皆同じという面白くもなんともないプロトタイプの総会でした。
東芝は社長の田中氏が不適切な会計について誤りましたが、あの天下に名高い東芝がなぜ会計処理でごまかそうとしたのか、私には謎です。タカタというエアバッグのメーカーはアメリカでの事故で死者が出たという問題で、謝っています。東洋ゴムは免震の基準を守らないで免震ゴム製品の性能の偽装をしたということで、あやまりました。
その結果5人のお取締役が退任しました。シャープは再び2223億という大幅赤字を15年3月期に計上することとなり、株主に深くお詫びしました。ソニーも2期連続の赤字を計上して平井社長がおわびしています。住友商事はもともと資源への投資は少なめでしたが、挽回を狙って注力したシェールオイルの権益の減損損失が大幅に増えて、15年3月は16年ぶりの赤字になるということで、お詫びしています。
こういった負け組の株主総会に出席した投資家たちは、失望しても、株式を売り払わなかった自分の優柔不断な姿勢を後悔したことでしょう。長期投資を進めている投資の専門家はこういう時には投資家にどのようにアドバイスしているのでしょうか。業績は明らかに悪化している会社の長期投資は?正しいのでしょうか?