議長の対応を見ていると明らかに、日立は個人株主を見下して、軽視していますね。個人株主の冒頭の質問は「株主優遇策を何かお考えでしょうか」でした。こういう質問をする個人株主が経営者に見下されるのは無理ないかもしれません。議長(東原敏昭社長)は議事進行に神経質になっていて、質問は一人に一問、3分以内、と限っていたようです。個人は慣れていないので、質問が冗長に流れますが、それを遮って「早くしろ、個人投資家は質問だけにしろ」という叱声がマイクから聞こえてくるような錯覚をおぼえました。
個人株主の質問は:
- 日立の首切りとか人員の合理化は目に余る。これでは労働者が気の毒だ。そうしてそうなったのだ
- 会社側は、配当利回りとROEなどに言及しないが、説明すべきではないか
- 2015年は改革をしてきたと言うが、売り上げはわずか5%しか伸びず、ましてや純利益は親会社ベースでは赤字であるが、それでいいのか
- 女性の執行役員がいないが、それでいいのか。世間ではすでに女性の登用がすすんでいる
- リフレッシュ休暇はシニアに適用されないが、シニア労働者を酷使していないか
- 株価が低迷しているが(他社と比較しての印象らしいですが)どうするか
などが記憶にのこっています。一番気になったことは、2015年が改革の仕上げに集中していたらしく、設備投資も研究開発もまったく伸ばしていません。つまり2015年度は、日立は改革を急いで(例;赤字部門を売り払う)、後ろ向きの施策ばかり取ってきたと言えましょう。
そうなれば、これからはどうなるか、実を結ぶはずですが、議長はじめ役員各位は数字的な目標を全く口にしなかったのです。もともとそれが無いのか、箝口令でもしかれているのか、わかりませんが、株主はさびしい思いをしたようです。締めの拍手は力なく、我々株主は静かに蟻のごとく会場から抜け出てきたのでした。日立はマスコミ受けがいいようですが、こういう会の運営は非常に下手であることが印象的でした。株式はこれからも保有続けていのかしら。