こういうのって社風というのでしょうか、それとも業種の特性というのでしょうか。こんないすごい日本経済の低迷の中で、この会社はびくともしないのです。なーるほど、事業が下水のような公共投資がらみだから、景気なんて関係ないんでしょう。たとえば2008年3月の営業利益率14%台から変化なく2013年3月も14%台(予測)。となるとやはり不況はないんだ。
しかし、純水製造装置をもっていて電力会社や半導体会社に売っています。これらの業界は不況の真っただ中です。そこは栗田工業にはまずいでしょう、と突込みが入ってきても当然ですが、それに対しても、会社は反論できます。「メンテナンスで儲けさせてもらっているのです」と。栗田のようなタイプの会社は “B to B” と言います。つまり顧客が事業会社であって、消費者ではないということです。
あまり世間や外人投資家には知られてはいませんがお固いです。これから海外事業を発展させるでしょう。今のところ為替の影響はないようです。なぜって?だって工業用水は輸出しないでしょう。この発音はユンケルのコマーシャルでのイチロー風にお願いします。
となると、なぜ2009年の3320円のピークから2012年の1637円へと3年立て続けに50%も株価が下がってきたのでしょうか?私にはわかりません。しかし、たぶんそれは顧客サイドの業績があまり良くなかったからでしょう。では、これからは顧客次第でしょうか?私はやはりわかりません。もし顧客の発注次第という運命に身をさらしているなら、営業利益率を毎年14%には保てないはずです。これは私の常識からくるジャッジです。
栗田工業っておかしな会社です。2013年までの5年間に毎年2円づつ増配しているのです。規律正しい人が集まっているようですね。