今年は暦が変わっていてお彼岸は9月22日だと言われましたが、なんと116年ぶりですか。ともかく二日連休となった23日にお墓参りをしました。朝から雨が降っていて、9時過ぎのお墓には人っ子一人おりません。4年前に母が亡くなったとき妻が突然お墓を移そうと言い出して、奥多摩の山の上から、いろいろな手続きを経た後、お墓をわれわれが住んでいる多摩市に引っ越しました。どういう心境だったのかいまだはっきり確かめてはいませんが、母を見送ってから、なんらかの衝動に動かされたのでしょう。もしかして、私が奥多摩のお墓の駐車場の石垣に車の前方部分をぶつけたからかもしれない。こいつあ縁起が悪いと。
前日がお彼岸の中日だったので、ほとんどの墓前には新しい花が供えてあって気持ちがいいです。すべての花がいけたばっかりで生き生きとしています。特に22日に供えた妻の小ぶりな花束は赤と黄色の組み合わせで、仰々しくなくて私はホッとしました。事情(カラスとひと悶着あるのです)を知らない人がお饅頭を置いて帰ったらしく、カラスの食べのこしが墓石の上に乗っていたのには参りました。そうであっても、この時期は一年で一番お墓がきれいな時期なんだなと一人で納得しました。若いころは神様、仏様などを真剣に拝んだこともなく、なんとなく行事に参加していました。しかしこのごろになると、本気で先祖にお願いている自分がいます。むろんお祈りするのは、小学校の孫の交通安全とか、家内安全とか、まあごく普通のことです。猫の「いくらちゃん」が手足のガンという病気になったときは足しげく通ってお祈りしました。
奥多摩にお墓があったときは、私も働き盛りで土曜か日曜を使って朝の7時ごろ車で出発して、帰ってくるのは昼過ぎと言うスケジュールでしたが、今は車で10分くらい。正直なもので近ければよくお参りして、遠いと足が向かないものですね。私は自分でエゴイストだと思います。よく、「苦しいときの神頼み」といいますが、わたしもその伝にもれず、最近は不安なときの神頼み、を励行していますが、効き目あり?ですかと、問われれば、やはり、ありますね、と応えるでしょう。もうひとつのメリットは、そのお墓が「多摩の横道」と言う、全長10キロほどの昔道(万葉の道)沿いにあるのです。私はデパックにドリンク、おにぎり2個、お漬物、デジタルカメラをつめて、スニーカーよりももう少し強い靴を履いて、お墓参りがてら、多摩の横道のハイキングをします。木漏れ日の下をあるくのはすばらしい。結論は横道ウオークがあるからお墓参りをする気になると言うことですね。先祖は苦笑いしていますよ。