趣味で四季報をパラパラとめくっていると、ちょっと面白いページに出くわすことがあります。参天製薬と共同開発した緑内障向け医薬原体の生産倍増を計画。待てよ、世界に緑内障の患者が6000万人もいると書いてあるではないか。参天製薬を注目している私は、ここで参天関係の銘柄に出会ったわけです。しかし、この会社はガラスの会社であって、このガラス製品はヨーロッパはじめ自動車、建築、太陽電池業界などの不況、ないし価格下落に直面して、さえない。というか減益傾向が続いているのです。

一方で、旭硝子株の配当利回りは5.0%と高い、これから減益に伴う減配を見込んでも、4%程度にはなるはず。うーん、昔からの投資のセオリーが頭の中で、スイッチが入ったのですが、それは「割安な優良株の下値拾い」です。この投資の方法はなかなかのリターンが出るのです、むろん辛抱の果てにいただけるリターンですが。利回り5%の株式を一年保有する。値上がりは15%程度はいつでもあり得ます。まあ理論的には20%の投資収益が狙えるわけです。つまらないかもしれません。なにしろ旭硝子はオールドファッションでアップルではありませんから。

この考え方は地味で保守的な方針です。悪い話ばかりではありません。QE3-アメリカの第3次金融緩和のおかげで、アメリカの住宅事情は改善し始めました。ヨーロッパは不況に入ります、東南アジアも後退しています。旭硝子、コーニング、ピルキントン(現板硝子)は世界のガラスの大手です。むろんつぶれるというようなことはないわけですから、1年から3年を見越した投資なら、リターンは考えてもいいでしょう。幸い旭硝子のPERは6.5x、PBRは0.71倍です。ただし今来期の予想利益ベースではPERは12xほどに上がってしまいます。

私が実際に投資するかどうかは別にして、簡単ですが、このような推論をするのが私の趣味なんです。さてこれから私はどうするか。コーニングのPERは調べます。せめて旭硝子と同じくらいのレベルであってほしいのです。板硝子(ピルキントン)については経営の失敗があるようで、比較対象にはしません。