私は先のことがわからない普通のひとなので、預言などしたくないのですが、そうもいかないのです。今回は日本マクドナルドの利益減額修正には失望しました。そのうえ優秀な経営者の原田氏もやめてしまいました。そして後を継いだ女性の社長、サラ カサノバ氏が導入したメニューが、一説によると、狙いは女性客を狙ったチキンのハンバーガーだということです。
今はデフレが終わってインフレ気味に景気が動いています。というよりも日銀はじめ政府は、たぶんに心理作戦でしょうけど、インフレを期待するような口ぶりです。外食産業は価格破壊をして、デフレ時代の勝者だったわけですが、マックはその代表選手でした。しかし、今や勝者は逆転して、デフレ時代の寵児が困っています。なぜ?それは価格を下げても売れなくなったということです。先日退職したマックのもと社長原田氏も100円バーガ―など導入して大成功しました。その原田氏もデフレの終焉とともにヒノキ舞台から去りました。(まだ持ち株会社の会長はやっていますが)。
先日発表になった新しいメニューは起死回生のメニューかもしれませんが、私は「ゴーダチーズのせチキンフィレバーガー」という看板ものを食しましたが、その印象は「うーん、これは困った、口の中が粘って飲み込みにくい」というもの。ゆっくり食べていると、冷えてきたチーズがねばねばしてとても食べにくい。さらにソースのせいなのか、味が濃くて今までのマックとはかなり違っている。私のように食の保守派は名前を変えたり、パッケージを変えたりしても、新製品にはなかなか飛びつけないのです。多分子供や女性の味覚はわたしよりも敏感なので、好意的な反応があるかもしれませんが。
14,3期の経常利益は100億程度まで減るらしいです。前期比57%減ですが、あらゆる施策が失敗したということでしょうか。この水準は2006年12月以来の低水準で、私たち投資家にとっても大きな打撃ですね。ここで疑問です。(1)世の中の消費トレンドが変わってきたのに、CEOの首をすげ変えて対応できるのか、(2)原田氏のような名経営者の代わりはいるのか、(3)一株当たり利益が40円程度にまで減ってくるなかで、2600円の株価水準は保たれるのか、などの不安が即座に頭をよぎりました。
さて、先のことはわかりません、ただこういうときは新しい「チーズとベーコンがどっさりの入ったハンバーガー」が私たち大衆に受け入れられるのを願うしかないかな、という心境です。当分私たちがKFCに足を向けている間に、立て直しのため原田氏の現場カムバック(CEO として再登場)が取沙汰されることになると思っています。多くの会社が、曲がりかけた経営を立て直すために、元CEOの再登場をはたしているではないですか。