沼津を拠点に成功している投資の勉強会があります。この会は月刊宝島にも取り上げられました。久しぶりに沼津を訪問して、元気を頂いてきました。吉野聖一さん率いる保険のつながり集団が私のような者の、漫談に近い話に耳を傾けてくれるなんて、わたしこそ感謝しなければなりません。

沼津への行き帰りに新聞を漫然と眺めていたらまたシャープのことが記事になっていました。ついにホンハイと話がついて身売りをすることとなったが、ホンハイは人員整理は(原則として)しない、とシャープを安心させています。そして4000億の大金を買収に使うのです。私の立場は外野とはいえ、何かおかしいと思わざるを得ません。

何故買収されたか。答えは簡単で経営に失敗したからです。シャープの伝統的な経営姿勢は「一点集中投資」です。液晶パネルという商品に会社の運命を賭けてしまったのです。シャープは会社も自慢していますが、今まで、一点集中投資をしかけて失敗したことが無かったから、これがシャープ流とばかりに突っ走ったようです。他社みたいに事業の分散を考えないシャープ経営陣に、私たち心配したものです。

経営が破たんすると日本産業再生機構と言う政府お抱えの機関が出てきて、「技術流失は日本国家の損失」とかいう名目で救済しようとしました。ところがホンハイが産業機構よりもはるかに高い買収金額を提示すると、産業機構はあっという間に降りてしまって、結果シャープはホンハイに身売りすることには決めました。いやはや、なーんだ技術ではなくて金だったのね。と私はつぶやいたものです。

とても怖いことは、日本では大企業が「経営破たん」すると、政府が助けてくれるという風習です。これでは、「経営は失敗しても何とかなる」という資本主義らしからぬ、結果が見えてきます。これをモラルハザードと言います。実際最近あった逸話では、経営破たん企業の社員はそのようなことを薄々感じているのですが、自社の危機的状況にもかかわらず、それってどこの会社のこと?とヒトゴトと思うらしく、のんびりしていたそうです。

しかし、買われたシャープはあくまでも強気で、雇用には手をつけるなとか、ブランドは使えとか、いろいろ注文を付けているようです。経営に失敗してもまだまだ強気なシャープのキャラはどこから来たのでしょうか。