アベノミクスの人気が上昇していますが、私はたびたびレーガノミクスを思い出しています。ハリウッドの俳優レーガン大統領が誕生して、さて政治を行う時に一番心配だったのは、政治経済が何もわからないのに大統領の職をまっとうできるかということです。むろんできるはずもなく、アドバイサ―を何人か求めました。その中のひとりがアーサー ラッファーという経済学者だったのです。主流ではなくどちらかと言えば亜流の名もない学者だったとの認識が私にはあります。

ただ当時(1981-)私たち学徒(?)は押しなべてケインズの経済政策を学んでいて、サプライサイドエコノミー(供給の経済学)は新鮮味がありました。別名富裕層の経済で、減税を一律に行って、結果富裕層に可処分所得が残るようにしました。スタグフレイション(不況の中の物価値上がり)を抜け出す苦肉の策だったのかもしれません。そして、富裕層は余分な収入で何を買ったのでしょうか。私はアメリカの証券会社に問い合わせて、1983年ごろに消費が目立って伸びていた財はなにか教えてもらいました。その表の中で、気になった財は 1)靴 2)傘 3)メガネ でした。

つまり急に懐に余裕ができると消費者は日常買えないもの、買うのを先延ばしにしていたものを購入するんだなと納得したものです。それらは贅沢品でもあり、不要不急のものでもあります。さて、日本は今アベノミクスがとり沙汰されています。政治の具体策は今一つ把握できないとは思いますが、株価や為替が急速に好転して、人々は資産効果を楽しみ始めています。観光地、レストラン、交通機関など、この春は賑わってきました。推察にすぎないのですがアべノミクス提唱で消費者は少し勇気づけられているのではないでしょうか。

ペントアップ デマンドと言って、国民の間に抑制が効いていた消費(買いたくても我慢していたもの)はなんだろうかと考えてみると、観光旅行、ゴルフセットと会員権、百貨店の高級洋品、宝石、かもしれません。つまり狙いは通販で買わないようなもの、大型小売チェーンでも買わないようなものではないでしょうか。私的には、すでに消費の年代を過ぎてしまったので、何とも雲をつかむような感じがしますが、若い読者の中に思いつく品物があったら教えていただきたいものです。

私たち高齢者こそ消費を支えなければならないと思いますが、年金が担保、確保されてこその高齢者消費だと思います。消費税の上昇も年金制度への目的税化が担保されれば、懐は緩むと思ってはいます。アベノミクスはそこは明確なんでしょうか。