昨3月11日に小生は栄誉ある通称「逃げ馬クラブ」の会長に任命されましたので、一言ご挨拶申し上げます。逃げ馬とは、スタートしてから先に行く馬ですが、そのくせがいつも発揮されていて、どんなレースでも先頭を切って逃げるか、ないしは先行するか、どちらかで著名な馬たちです。そうかといって逃げるからすべて逃げ馬というわけではないのです。出馬表を見て、これ逃げるな、とわかる馬たちを言うのです。たとえば馬柱を一覧して、毎回①-①-① というように3角から4角―そして直線もトップで走る馬のことです。

日刊スポーツ紙では、レースごとに逃げ馬印を1頭だけついています。いうなれば逃げ認定馬ということでしょう。一つのレースに3-4頭も逃げ馬が混じっていることもよくあります。認定馬が逃げるとは限ら勝敗を判断するうえでの鍵でしょうか。逃げてものになるる有力馬とは、「記者の印がついている上位人気」の逃げる馬でしょう。逆に無印の認定馬はほぼ入着はありません。

例を上げますと、3月10日の阪神フィリーズレビューです。馬番①のナンシーシャインが認定の逃げ馬でした。スタートはポンと出ましたが、他の逃げ馬サマリーズとかデイズトレメンテに先を行かれて、大野騎手は落ち着いて内枠の4-5番手を走りました。馬も特に入れ込むこともなく、そのまま4コーナーから直線に向かいました。直線のたたき合いは力のあるメイショウマンボが上がり最速の足を使って突き抜けました。いつもより1秒ほど時間がかかっていた1400米、1.22.1です。阪神の当日はやや重い馬場で、上がり34.8は優秀なんでしょう。

“私の中の主役“のナンシーシャインは直線で内側を追い出しました。果敢に馬込みを抜けましたが、メイショウのチカラ強い追い込みには負けました。メイショウはこれで桜花賞の候補になりましたが、3着までは桜花賞に出走できますので、ナンシーも立派な候補なのですが、誰も逃げ馬を候補に挙げません。そういうものですね、逃げ馬の運命は。逃げ馬には悲哀がつきものです。大方は直線で差し、追い込み馬に交わされてしまいます。逃げ馬はよくても2,3着が多いのです。いつも最後の1~2ハロンで交わされる運命にあるのですね。大野騎手はわかりませんが、逃げ馬を操る名手は中館、小牧、和田あたりです。

3月2,3の二日間で中山、阪神の8-12Rの40レースを調べてみました。40レースのうち逃げ認定馬が1-3着に逃げ残ったのは11回です。1着4回、2着6回、そして3着1回。中山では9レースでのみ3回、阪神では9Rが1回、10Rが3回、11Rが1回、そして12Rが3回です。サンプルが少なすぎて傾向はわかりません。逃げ認定馬が逃げ残れるのはおよそ25%くらいですね。阪神では内枠の馬が有利でした。次回は山崎エリカ嬢の著書の紹介です。