NTT以来の大型IPOになる日本郵政の応札をしました。もともと小泉政権時代からのヤマト運輸と郵政省の確執を見てきた私は、ヤマトの天敵である郵政は「国の機関」であるからして、市役所とか、町役場の延長にしか見ていなかったのです。もっとはっきり言えば、日ごろの郵便局のお役所仕事にはうんざりしていました。たとえば「封書のサイズがああだこうだとか、本人確認のため自動車免許証をコピーしていいですか」などと、目の前に立っている本人に言ったりするのですから。

ではなぜ?と思われるでしょうが、今回の上場については数人の方から相談を頂き、私は、「うーん、郵政の将来が見えませんが、少なくとも配当利回りは悪くないので、大きく下がることもないでしょう」などとぶつぶつ言って、やや肯定的な返事をしてきました。私もちょっと責任を感じて、それでは勉強のためにわたしも付き合おうかな、と思いついたのです。

よく社会貢献、環境保護などと、企業の活動を評価する声がありますが、考えてみれば郵便の仕事は、「過疎でも配達しなければならない」といったルールを課せられていて、まずは社会貢献会社なんだなと認識します。しかも、株式売り出しで得た巨額な資金のうち4兆円を東日本の震災復興用に使うという取り決めもあるとか。そんなに取られたら、成長投資はできないよな と私は独り言を言いました。手かせ足かせの事業体。本来ならば私は投資はしませんが、今回は好奇心の方が強かったのです。

国鉄とか電信電話、そして郵便局、など組合ばかり強くて、不合理極まりない事業。株主など不在。それが高度成長期の私たちの理解でした。上場してようやく会社らしくなったので自主独立でやらなければなりません。しかし「顧客のために運用責任」という義務がついて回るのに、政府と日銀はGPIFに圧力をかけて、株価下支えをさせたような前例もあります。ですから私は気が進みませんが、今回は意義を感じて参加してみます。