皆さんは高橋源一郎先生をご存じだろうか。この方はNHK番組を持っていて、パーソナリティを務めている。毎週の金曜日の午後9時5分から放送に入る。称して「飛ぶ教室」という、ドイツの児童文学者エーリッヒ チェストナーに因んでタイトル名を借りている。

まず放送の初めに「こんばんは、作家の高橋源一郎です」と発声している。つまり彼は自他ともに許す小説家なのだ。彼はいくつかの小説で、賞を取っている俊才である、多分。

曰く群像新人長編小説賞、島由紀夫賞、伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、など。それに小説新人賞の選出委員も兼ねている。芥川賞とか直木賞は取っていないと思う。なぜなら彼は純文学派なのだから。

わたしはひょんなことから、この人を知っている。それは文学ではなくて、競馬の世界のことである。サンスポというスポーツ新聞の馬券予想のコラムに毎週与太記事(?)を出してくる。あまり当たらないけれど面白い。この数年サンスポ紙を競馬のために購読しているので、「こんなに外れちゃ駄目かしら」というしゃれたタイトルだ。彼は競馬には詳しい。さすがコラムを担当するだけのことはある。競争馬の歴史、偉大な父の血統、海外の競馬事情、大レースのトピックス。などなど私たち読者を飽きさせない。

今週はG-1レースが12月4日の「チャンピオンC」というダートの王者を決める大レースだが、高橋さんは本命に10テーオーケインズ、そして次の候補にクラウンプライド、シャマル、グロリアムンデイを推していたが、理由はテーオーケインズに勝てる馬はいないが、もしこの馬を負かせるとあれば、上記3頭になりそう、ということだった。そして結果は

圧倒的人気馬のテーオーケインズは4着に敗れて高橋さんが打倒テーオーケインズの候補に挙げたクラウンプライドは2位に入った。したがって、馬券にはならなかった。(つまり高橋さんの予想をもとに買ったファンは馬券は外したということだ。しかし、クラウンプライド(父リーチザクラウンの血を引いたダート1800米には強いタイプ)を挙げたのはご立派である。私はなろうことなら、高橋さんのような仕事ができたら本望だったと思う。