再び、、ということです。というのは一昨年レースの時に岩田騎手に邪魔をされて(To be fair, 、無論わざとではないですが)、立ち直ったのが今年の春、そしてしばらくレースに乗ってからまた、岩田騎手に邪魔をされて{2度目の正直?}、また大けがをして治療にあたっていましたが、ふたたびレースに戻ってきたのが連休の初日の22日でした。
22日と23日と、競馬ファンがかたずをのんで見守る中、後藤騎手はレースほど、調教師の支持を得て(つまり勝てそうな馬を回してもらったこと)善戦をしましたが、2着がいっぱいで勝てませんでした。そして3日間開催の最後の日、24日の新馬レースで、後藤騎手はカボスチャンというタニノギムレットの2歳に乗ってついに片目が開きました。カボスチャンが1800メートルをあと200残して直線で馬群を抜け出たとき、図らずも、スタンドの観衆がおおきな拍手を送りました。みんな知っているのですね。後藤騎手が2度とも岩田騎手の邪魔(意図せざるジャマでもジャマはジャマ)にあって命に係わる大けがをしたことを。
わたしもテレビの前で声を大きくして応援しました。後藤騎手がゴールを駆け抜けたときは大喝采、ファンはみんなでこの不幸な、しかし2度も見事に立ち直ったこの不撓不屈の精神を讃えようとしたのです。競馬の騎手は非常に危険な職業です。しかし、中にはそれを一生の職業として喜んでターフを駆け抜ける若者がいます。私たち競馬ファンはそのチャレンジをまるでわがことのように慶び、また感激するのです。
実は、私はこの3日間、なるべく(つまり買おうとしたレースでは、なるべく後藤騎手を何らかの形で、(例;3連複のひとつとか連勝のひもとか)買っていました。多分馬の力から見て1-3着に入着は無理だろうと思ったレースでも買っていました。頸椎を損傷して長い苦しい闘病生活を克服してきた後藤騎手を何とか励ましたいとの思いはありました。そしてついに勝ちました。喜ばしい!誰もいない部屋の中でつい「ヤッタゾ、オメデトウ」と声にだして個性的なこのベテラン騎手を讃えました。
ゴールを抜けて、キャンターに入るとき、岩田が握手を求めました。また観衆に向かって後藤は拡声器をもって挨拶もしました。どんな境遇に出会っても、茶目っ気を忘れない後藤騎手です。