ハヤブサ1号の奇跡の生還につづいて、予定したハヤブサ2号の打ち上げが延期になりました。私たち日本人は一様にハヤブサ1号を奇跡と言ってほめたたえました。それはそうなんです。2年も通信が絶えた小さな惑星探査用の機械が広い宇宙の中で孤立して連絡が絶えてしまいました。姿勢制御装置が故障して、自家発電ができる太陽電池パネルは太陽の方へと、角度を向かなくなってしまいました。電池という形で、必要な太陽エネルギーを取り入れられなくて(充電できなくて)、信号を地球へと送ることができなくなってしまったのです。
これは悲劇です。もう二度とこの小さなオービットを見るこができなくなったと、JAXAの大方の専門家たちは覚悟したのでしょうね。無論何百というコマンドを打ち続けて、探査機を救うおうとしたのです。と、映画を見ていると、jAXAの社員たちの涙ぐましい努力が描かれています。
しかし、ある日、ついに探査機の通信装置のスイッチが入りました。地球を離れた6年も経ってから、ようやく探査機は地球に帰還できる日が来たのです。感激です。探査機、ハヤブサ1号を擬人化してしまった連中は「ハヤブサ君が帰ってくる」と、その日を待ちました。そうです、探査機はカプセルを自分の本体の前の方に押し出して、自分は後ろから、火の玉になって帰還してきました。忘れもしない、2010 年6 月 13 日、探査機と、その前に飛ぶカプセル が火だるまになって地球に降りてきました。大感激です。 なんと健気ではないか、涙が止まりません。
今日は、そのときの機器とか機能の弱点とかを改良して、ハヤブサ2号を打ち上げる日でした。科学技術は進歩していますので、今度は奇跡には頼らずに済むかもしれません。けれど、日本人の作ったハヤブサくん2号が、(事故があっても2020年には必ず帰ってくる)と、私たちは、もう一度奇跡を起こすと密かに期待しています。そうに違いないと思います。