エドガー アラン ポーの短編小説に黒猫があるのは有名ですが、夏目漱石の作品「吾輩は猫である」がモデルとした猫も黒猫であったことを知っている人は少ないのではないか。黒猫は幸運のお使いか、それとも不幸の伝達使か、どっちだろうか。わたし的には、今でも迷っています。

散歩道の途中で顔から背中、そしてしっぽまで黒い猫に出会ったのはわずか一か月ほど前です。腹の部分は白いので、純粋に黒猫とは言えないかもしれませんが、目が金色なので、凄い、凄い。わたしはいつの間にかこの猫と知り合いになりました(ともだちではありません)。猫はどうやら野良ネコに見えます。毛並みもきたなくて触ろうとはおもいません。しかし、野良猫にしては、肉好きが良く痩せこけているわけでもないのです。

その日、5月22日の日曜日ですが、この猫と土手の下で出会って、私は今日のオークスが当たるような気がしました。「黒猫が幸運をもたらす」という伝説をイギリスのマーロウという町で知ったことがそもそものわたしの黒猫伝説の始まりです。オークスでは優勝がシンハライト、2位がチェッキーノという本命筋で決まり、私は3-13-14という3連複の馬券をかろうじて取りましたが、配当は2070円。トリソンでした。

そして5月29日、いよいよダービーです。私は無論その日の朝、土手に黒猫に会いに出かけました。幸いまた出会えたので、声に出さないで「おはよう」と心の中でご挨拶しました。黒猫も金色の目で私の方を見て何やらつぶやいたような気配がありました。そして、ダービーはまた黒猫のおかげで馬単と言う馬券と3連単(マカヒキーサトノダイアモンドーデイーマジェステイー)と言う馬券を取ることができて、この日は黒字になりました。

しかし、幸運の出会いはただの偶然だったのでしょうか、6月の5日(日曜)の朝は、秩父に行くために土手の散歩はしなかったのです。前の日の土曜日には黒猫とは会ってはいますが、幸運の予約は翌日には持ち越せずに不成立、「安田記念」は見事に外しました。日曜日の競馬には土曜に予約した“ご利益”はつなげられなかったということです。偶然かそうではないか、まだ結論は出していません。