11月3日、文化の日、14時25分、東京競馬場は突然嵐のような歓声に包まれました。ステイゴールドの仔で、スタミナたっぷりの「オジュウチョウサン」という障害の名馬が、平場(南部特別 芝2400米)に武を騎手にして、馬場に現れたからです。7歳の牡馬は既に中山グランドジャンプ、東京ハイジャンプなど障害レースを軒並み総なめにして、王者に君臨しているのです。

2016年の4月から、なんと障害レース9連勝を達成した後、どういうわけか今年7月7日に福島の平場の特別レース(500万下)に現れたのです。単勝人気2.0倍という人気を背負って勝ちました。そして今回、府中の南部特別(1000万下)に出てきました。馬主の長山さん(孫が付けた呼び名はオジュウチョウサン=長山おじさん のこと)はあくまでも、この馬の強さを見たかったのでしょう。

時々競馬界では障害を飛んでいながら、平場に降りてくる馬はいますが、オジュウチョウサンも平場で勝って、次に南部特別に出走してきました。ファンはその大胆な作戦?とか決断に拍手を送りました。噂によれば、長山さんはオジュウチョウサンを有馬記念に出したいらしいのです。資格はあります。ただ有馬記念はファンの投票が支えですから、ファンにアピールする必要があるのです。そのアピールのために平場に出てきたのです。

このレースは⑦頭立てですが、ステイゴールドはじめ父キングカメハメハ、父デイープインパクト、父ハーツクライなど血統的に長距離得意の猛者が出馬してきます。そして、騎手もダービージョッキー福永、外人騎手のデムーロ、オドノヒューなど多士済々。レースはわずか7頭ですから淡々と流れます。武騎手は逃げ馬の2番手につけて、虎視眈々と直線の勝負をねらっています。レースはコーナーを団子になって、4つ回って直線に向かいました。

直線600米の激しい鞭の打ち合いで、オジュウチョウサンは勝ちました。スタンドのファンはもう大喜びで叫んでします。 私も思わず腰を上げて立ち上がって応援しました。

この結果、長山さんの思惑通りに有馬ではファンに投票で選ばれるでしょう。有馬では一流のG-1馬が出走してきます。マイナーと思われっている障害レースから挑戦する7歳馬がどれほど頑張れるか、私たちファンもわくわくしますね。ハイセイコーの再来なのか。