本屋に行った。武蔵村山市のイオンモールの中である。時々本屋をあさるのが趣味と言えば趣味ではある。孫の雄真君にサプライズを(あっと驚いたり、ニヤッとしたりするタイトルの本)を送ることを習慣としている。最初は「君たちはどう生きるのか」という吉野源三郎の本であった。しかしこの本は、実は日大附属中学2年生で教科書代わりに学校で一括して購入したと聞いて、私の試みは失敗。

さて昨日は、重大な本を見つけて購入した。タイトルは「DEATH-死とはなにか」
(シェリー ケーガン イエール大学教授の講義の本で世界中で25万部以上売れた)

いかにも82歳になった私に相応しいタイトルではないか。

人は必ず死ぬ、だからこそどう生きるべきか、だと。しゃらくせえや。

レジで2千円を払って、当然若い女性から釣り銭をもらい右手で、財布の分身の小銭入れにじゃらりと入れた。自分の手の空いた左手でレジの向こう側で右手にこの分厚い本を私に渡そうと待っている女性に、私は本を受け取ろうとして左手を伸ばして、厚いので、しっかり本を、いうなれば、むんずとつかんだ。そしたら、暖かく柔らかい本が手の中に入ってきた。え?なに? それは本ではなくて、彼女の右手だった、つまり本はまだ彼女の左手に残っていたのだ。二人が数秒間あっけにとられて、そして大笑いした。済みませんと言ったのは私の方だった。二人とも、小銭と本以外は何も目に入っていなかったのだ。

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立川市は、駅前こそ市街地ではあるが、一キロも外に出てしまえば、住宅地と、その間に挟まった農地である。ハウス物の野菜が取れるうえ、近くの市場やコンビニなどで販売もしている。私はぶらりと一軒の農家に立ち寄って看板にチョークで書いてあった、「はちみつ」を買い求めた。500g が2500円で種類はアカシアと日本花の二種。きれいなホウレンソウとか小松菜とか、京野菜が大原の里で採れるように、清浄な野菜が立川でも採れる。もっと立川の地元ものを宣伝してもいいのではないかとも思いながら、おっかさんと息子の働く畑での会話。

「はちみつ」ください。と僕
「はいよ、どっちにする?」とお母さん

「味に慣れているアカシアのほうを」
「今息子が自転車で裏の家に帰って瓶をもってきます、はい2500円いただきます」

「日本花っていうのはなんですか?」
「はい、それはアカシアのように花畑が一種類の花ではなく、ハチが花なら何でも集めてくるので、味やにおいが混ざってやわらかくなっているはちみつですよ」

「来年はアカシアを入荷できないかもしれないな」と息子
「どうして?」と僕

「それは、卸の人がアカシアの畑に家を建てると言ってきているから」
「そいつは困ったね、じゃーさんまさんに聞いてみるかな」

「????」と彼は困った顔
「だって、彼、あかしあ さんま というではないかい」と僕

「$&%#\。。。」と彼