「国営企業は、不健全であやうい、もしくは危ない」というのが歴史上多くの例になっています。つまり国は(官僚には)企業体を経営する才能、技術、経営哲学に欠けているということです。どの国でもそうでしょう。特にヨーロッパや 社会主義国ではその傾向ははっきりして、これらの国は国民の富は増えるどころか、多くの破壊行為で疲弊してします。イスラム各国の例もあります。
わが国でも国営企業が経営上の失敗を繰り返しています。たばこのJT、郵政、そして私はJRA(元の農林省)が今難しい局面に直面してきていると判断しています。外見は民間企業に見せかけて、実際は政府の影響が大きいのではないかと思われます。JRAは競馬という賭博の主催者ですが、顧客(競馬ファン)から天引きで、掛け金(馬券)の25%を召し上げているのは周知の事実です。JRAの馬券の売り上げは景気に影響されますが、ほぼGDP(国民総生産)並みの売り上げの伸び率を繰り返しています。それほど大きな組織なのです。
今おかしな現象がみられています。賭博の主催者(元調教師とか騎手)がテレビ番組というメデイアに現れて、馬券の予想をしていたりします。主催者は賭博場を提供するだけで、お仕事は終わり、その場所で楽しむのは、馬券を買っているファンのはずです。それが賭博というゲームの原則でしょう。主催者が馬券を買ってどうするのですか。お金の亡者に成り下がって原則を誤っているのではないでしょうか。ちょうど日銀がお金を印刷して株式市場で、主役を張って、株や、債権を売買していると同じことのようです。いくら自民党が圧力をかけてきたとはいえ、日銀が株価操作をするのはご法度ですね。政府の圧力に屈して正義を忘れた哀しき金融官僚たち。
そして競馬の世界、お笑い芸人を使ってドタバタ劇を演じさせファンの興味をつなごうとする低俗なJRAの経営者(たぶん天下り官僚たち) 、お笑い芸人も、ドタバタ劇も、私に言わせればジャマであって、うるさくてしょうがない。どうしてファンが心から楽しもうとする競馬の邪魔をするのか理解できません。ほかに真面目な競馬番組があるから、JRAはフジテレビのおちゃらけた番組は必要悪として、黙認しているらしいのですが、視聴率が高ければ、そのパフォーマンスを視聴者(競馬ファン)が望んでいるからという言い訳ができます。競馬界の中心は馬主、厩舎、そして騎手で成り立ちますが、彼らは馬を使っておかしなことをしています。毎年フランスの凱旋門賞を目指して、お祭り騒ぎを繰り返しています。その経費はファンが出していることは明白です。大金を使って国際的レースと持つ(もうジャパンカップに外国馬は来なくなりました)。外国馬に勝つと言って劣等感をモチベイションにして海外に遠征する姿は滑稽でさえあります。日本馬と外国馬が競争したら、日本馬が勝ったと喜んでばかりですが、ファンは唖然として喜んではいられません。
外国人にやっと門戸を開放してみたら、技術なのか、ハングリー精神なのか、外国人に勝たれるばかり、ルメールは3年連続でリーデイングジョッキーに輝きました。又卑近な例では 1月6日の月曜日、ルメール不在の日、オイシー マーフィ騎手は中山競馬で9レースに騎乗して、6勝と2回の複勝圏という好成績を残しました。もしマーフィ騎手の単勝馬券をすべて買っていたら、例として各レース1000円(計9000円)投入していたら、返還は18700円でした。一方手的な偏りというのは本来の競馬ではないのではないかと思っています。
このような現象は長続きはしないでしょう。国枝調教師も最近危機感あふれる著書を出しました。真の競馬(?)とは何か。イギリスのような女王陛下のもとでの気高いスポーツを真似できるほどには歴史と教養が足りない我が国の競馬は衰退の道を歩んでいるのではないか、本当の競馬というのは夢のまた夢でないか、と心配する私です。