内田騎手の批判小文をいくつか書きました。今年の春からの彼の不甲斐ない騎乗ぶりについ口が、愚痴が出たというわけです。むろん私としては、数週間分の騎乗記録のようなものを調べて、私の論調が不確かな感情によるものではないとの裏はとってありました。が、今日は先週のG=1 ビクトリアマイルレース を観戦して、若干の修正をしないとフェアではないと思うところがあります。

内田非難の声は町の人からも入ってきていました。いわく「最近は圧倒的な第一本命に押されていても、惨敗してしまう。特にG-1でそうなんだから、たまったもんではない。なに考えているのか」という声が少なくなかったのです。もともと大変優秀な騎手でしたから、人気を背負うのは仕方ないのですが、これが平場ではなくG-1というところに問題があるのです。内田ほどの花形騎手が1倍台の単勝オッヅをもらって5位とか7位とかビリに沈んでしまうことは、ふつう、あり得ないことです。

ですから、今までの内田フアンも、裏切られたとの思いでついカーっとしてしまうのですね。その上、下級条件戦でも、また平場でも着順が人気以下に落ちているのです。これもまた失望の原因でした。ところが、多くのファンの杞憂したヴィクトリアマイル戦では、3.1倍という怪しげな一番人気ではあったものの、東京マイルを昨年の覇者ホエールキャプチャーの鋭い追撃を抑えて優勝してしまいました。内田本人、ヴィルシーナの馬主の元ベイスターズの佐々木投手も、厩舎関係者も喜ぶ前に驚いたようです。そのせいか、内田騎手はバック転を2度も決め、また佐々木さんは涙をこぼしました。

実力があるところは誰もが認めるところです。ただ、万年2位という悲劇がファンの頭にこびりついていて、今回もまた悲劇の女王になるかもしれないと、ヴィルシーナの優勝を信じていた人はあまり多くはなかったのではないでしょうか。一応の買い目(3連複とか3連単など)に入れておいた私は、やはり強いな、と思ったのですが、それよりも帰宅してじっくり調べてみると、驚きは、私の新聞では誰ひとり2着になったホエールキャプチャーに印を打った記者がいなかったことです。

無論わたしもまったく買い目に入れていません。ホエールが入らなければ残りの4頭には私的には手を広げていました。1着ヴィルシーナは言うに及ばず、3着マイネイサベル、4着ジョワ、5着ドナウブルーにも。それよりも、実は、馬券の中心はドナウブルーでした。そして本線がドナウからのジョワでしたから、ショックは小さくなかったです。ともかく、久々の勝利を復活と言い切っていいのか、またヴィルシーナには今まで戦ってきた、ジェンテイルどんなのような上が抜けて順番が来た、ということなのかもう少し観察したいと思います。

それは、この原稿がブログの上がる20日の月曜には結果が出ていますが、オークスで内田は有力な(デイープの仔)デニムアンドルビーに乗ってきます。フローラSの優勝馬がオークスを買ったこともあるので、注目されることでしょう。オークスは内田の鼎の軽重を問う一線になりそうです。