普通の競馬では人気があるからといって、勝つに決まっているなどという評価はされない。しかし、これが単勝で1倍台の人気馬になると、その人気の意味は大きい。愚痴に聞こえるかもしれないが、先週、今週と圧倒的な支持を得ていた一番人気馬が飛んでしまった(負けた)こと、その失望の背景を探ってみようかと思う。まず弥生賞という 有力な3歳馬のレース。3歳馬は当然のコースとして、強ければ5月のダービーに出られる。そのステップレースの皐月賞があり、弥生賞はさつき賞のトライアルレースなので、上位3位が出走権を得る。ここで、人気になった馬がダノンザキッドという新馬戦以来3連勝負けなしの名馬。騎手も一流だし(川田将)、負けるということは考えられない単勝1.3倍の期待の人気馬だった。
ところが、あろうことか、先に走った、タイトルホルダー(横山武)に負けて3位。馬場の状態が悪くて後ろから持ち前の鋭い追い込みを見せても、最後はタイトルホルダーに逃げ切られた。私は万が一ということも考えて、ダノンザキッドからワイド馬券を買っていたが、一番人気馬からのワイド馬券は悲しいほどに安い。ただ虫の知らせで、ワイド馬券をもってていたのは、私の長年の「このレースまともに終わらないかもしれない」というリスク感覚があったからだ。
さて、その一週間後、こんどは中京の金鯱賞である。このレースはG-1大阪杯のステップレースで、勝てば大阪杯に出られる。このレースにはかの3冠馬(牝馬の3冠は桜花賞、オークス、秋華賞) デアリングタクトというに日本の代表馬といっては過言ではない名馬である。単勝人気はやはり1.4倍とダノンザキッドに劣らない。それが事もあろうに、10頭中びり人気のギデオン(牡6歳)に逃げ切られてしまった。教訓は少なくない、負けて目が覚める競馬ファンの常である。やはり4歳牝馬は5,6歳の牡馬には勝てない。とか馬には調子の波があっていつまでも勝ち続けることはできない、とかレースの参加馬すべてが敵に回り、激しくけん制してくる、とかいろいろではある。
しかし、我々のようなしがない日曜競馬ファンにとっては単勝100円台の人気馬がそれなりの、評判通りの実力を発揮してくれないと、心理的なダメージは大きい。今回のように毎週レースが終わって茫然自失にはなりたくないのである。