2月の中旬、慣れないお花見に行ってきました。そう、慣れないのです、上野とか新宿御苑とか飛鳥山など、サクラの名所にはいかないタイプですし、会社務め時代もサクラの下で騒いで酒を飲んだりはしない私でした。思いついて、ポケットには300円を突っ込み、いわゆる「河津サクラ」を高尾にある森林科学園(公益法人)見にいったわけです。

かつて民主党が天下を取っていた時、「事業仕訳」が行われて、多くの公益法人がやり玉にあがりました。私たちは留飲を下げたのですが、どういうわけか森林科学園は民主党の追及を逃れて、今でも存在しています。そこはなん百というサクラの樹木が管理されて、ちょうど保存林みたいな役割を果たしているのではないでしょうか。

そのやまで、一番早く咲くのが河津サクラです。伊豆のように温暖ではない高尾ですから、映像で見る河津のようにきれいではないですが、まあ、サクラは桜です。科学園の中はほぼ丘陵地です。ところどころに番号の立札が建ててあります。1-100くらいの番号のなかで、河津サクラは46番に咲いています。つまりこの番号は樹木を求めて散歩する人たちには具合のいい案内役を果たしています。

河津サクラは7-8分咲きでしたが、「キレイ」とか「スゴイ」とかの感嘆の声は出ません。たった5-6本のサクラの木に小さな花が咲いているのです。ゴージャスではありません。それに、季節にはにぎわう山の中に、いまは人影も見えません。これぞ、自分らしいお花見だなと思いながら、写真を撮って帰途につきました。途中、自称「目の悪い、しかし耳はいい」(ご本人の自己評価)女性から、鳥の鳴き声からわかった、「それらはルリビタキ、ジョウビタキとよびます」、そのときジョウビタキが私の目の前を遮りました。私は「いましたよ、私は目はいいのですが、耳が悪くて」と彼女に自己紹介をしました。