時々BS放送で映画を見ています。中には何回見ても、さらにまた見たくなる映画があります。今年の前半を振り返りますと、1)マネーボール、と2)人生はビギナーズ の2本がそれにあたります。マネーボールはマネーとベスボールをかけたタイトルで、野球の世界とお金の話ですね。主人公は ブラッド ピット が扮するメジャーリーグチームのアスレチックスのジェネラルマネーがー(GM)です。お金の無いチームの苦しさ、つらさを経験しながら少しでも勝ってオーナーに希望をもってもらわければならないGMという職業をブラッドピットが演じています。メジャーリーグでは、オーナーはワンマン型が多いのですが、GMもまた大きな権限を持っています。あるとき大学で数学を学んだ社員が入ってきて、GMに忠告をしました。「出塁率でナインを決めた方がいい」と。

野球選手の優劣をきめるのは打率とか、守備率、防御率などですから、この案にはビットもびっくりしました。しばらく試行錯誤して、スカウトの伝統的な選手選びの手法を否定して、GMとしての評判を落としながら、次第にこのやり方で勝を重ねて行ったのですね。そしてついに20連勝し、ファンも大喜び。しかし、ワールドシリーズでは敗退しました。レッドソックスのオーナーが大金をはたいてビットをスカウトしようとしましたが、彼はそれを拒否しました。出塁率の低い、しかし有名な選手を首にしなければならないとき、GMは言いました「嫌なことは俺も選手も同じ、ならば早くかたづけよう」と。アスレチックスの歴史に残る実話の映画化です。

人生は、、の方は、ユアン マクレガー 扮する中年に差しかかる男がホモの父親を抱えて、女性との出会いもなく、イラストを描きながら細々と生きてゆく途中、少しだけ脈がありそうな女性と出会いました。親父はホモの友だちがいます。しかも愛し合っているのです。ヤレヤレ、面倒なことだ。彼は内気で自己を表現することも、また、かの女性に気持ちを打ち明けることもなかなかままならないのです。一緒に住んでみたり、またお互いが愛を信じるまでに至らず、別居したり、実際のところ、自分が何をもって幸せかもわからないのです。

いよいよクリストファープラマーの扮する親父の病気が悪くなって、終わりの時が近づきました。ユアンは身辺を片付けて、ペットの犬を友達に預けて、すでに遠くに去った彼女のもとに会いに行くのです。普通の人が普通に苦労して生活を続ける。そして、もう何の希望も無いかという終盤で、、、私はホッとするのです(結論は教えません)。盛り上がりに欠けた、かつ、ドラマチックでもない人生を淡々と演じたユアンが好きですね。

この二つは何回かBS放送で上映されました。私は何回も見ました。だって教訓がいくつも詰まっているのですから。オススメです。