オーソリテイーは偉いのでね。日本高血圧学会とか健康保険組合連合会とか、その道の指導的なお立ち場にある団体は、このたび治療のガイドラインの変更しました。彼らは好き勝手にガイドラインを変えることができるので、私はオーソリテイー(権威)と呼ばせていただきます。
ガイドラインの変更には数百万人のデータが参考にされているようです。つまり5年ぶりに人間ドックなどのデータを調べてきたら、どうやら今適用しているガイドラインが実情とはかけ離れていることに気付いたわけです。私は7-8年前から父からのDNAのおかげで高血圧体質になっていることに気づきました。それ以降親しい医師と相談して血圧降下剤を飲み始めました。巷間、血圧の薬は一度飲んだらやめられないと言われていましたが、この医師によく聞いてみるとそんなことはないということがわかりました。この医師は下がってきたらやめてもいいよ、と言ってくれました。
以来私は医師と相談しながら、自分の血圧の管理(?)をしています。世間では、また多くの医師たちは、上記のガイドラインを忠実に守っていて「130まで下げましょう」などと患者に無理矢理に薬を飲ませて130に下がればオメデトウということになっていました。私は実はあまり飲みたくたくない薬を大量に飲みたくないし、幸い私のかかっていた医師たちもあまり強くは勧めなかったのです。この辺なら、、、というふたりの相談した二人だけのガイドラインは「150近辺ならまあいいでしょう、140台でもあればそれもまたますますいいですね」といったあいまいなものでした。
この私設ガイドラインはなんとなく得られる「知恵」と私の「体質」の故であって、130絶対固定型のガイドラインとは離れています。もっと下げてもいいのですが、カルシュウム拮抗剤は飲んだ後に動悸が強くなって不愉快になるのです。日常生活にあまり影響が出ないような投薬量ラインみたいなものがあってもいいでしょう。
ところが先週のガイドライン改正では、「今まで全員(男女年齢を問わない)が129以下というガイドラインを提示していたのが、男女ともに88-147が新しい基準」となりました。つまり、ガイドラインが私の現実の血圧水準に近づいてきたわけです。で、私は笑ってしまったのです。私が長い間先生たちと共同でやってきたことは、「血圧のガイドラインは一つではないでしょう」ということ。性別とか年齢によって異なってしかるべきではないですか。30歳の成人と70歳の老人を同じ物差しで測るなんて、また肥満の人と、やせ形の人も同じではないでしょう、スポーツマンと書斎の人は違うでしょう、と言い張ってきたことなのです。
結果いまは私にすり寄ってきたガイドラインです。このガイドラインは、高血圧以外にも
中性脂肪、コレステロール、BMI指数なども大幅に拡大されています。学説、通説のなんと脆弱なことよ。さて、そうなると今後健康人がぐんと増えることになります。「この水準なら、もう薬を飲まなくてもいいですよ」、と医師には言われそうです。結論、医師との癒着のような関係で今まで批判の多かった日本の製薬会社はこれから受難の日々が続くということです。