日ごろ、選挙に因んでそのつど失望すること、1)投票率が下がり続ける傾向は変わらない、2)毎回若い年代の投票者がボイコットする、3)選挙の手続きが陳腐に見えて、興味がわかない、4)自民党とその他の小型野党の対立の図式に変化がない、5)キャンペーン演説の中身に新味がない、など、これらの要素には投票者は飽きてきて興味を失うばかりだ。
今回私が自分の住む街には選挙はなかったが、かえって客観的に眺めることができた。まず第一に選挙が低迷するのは投票者自身の責任であること、2)またわが国には変化を避けて安住し、改革や前進をよしとしない頑固な老人や大人が多すぎる。3)間違った観念で、他を還り顧みることなく「安定とは固定である」と信じて疑わない保守派の人間が多すぎる。しかし、今回の知事選では 刮目すべき結果が生まれた。1)外国で教育を受けた26歳の若者が当選した、2)3人の女性の知事が加わり、今や新旧6人の女性知事が生まれた。
いくつかの目新しい現象に目が行った。1)最大政党の自民党が腐敗、弱体化して、今やポピュリスト政党に成り下がっている。人材も不足し、政治活動も根幹のところで、歪んでいる、まさに人気取りの、先延ばしの政治しかできない状態が前政権から続く。2)限ばかりを強くして、自己保存に唯々諾々とし、権力を維持するために官僚統制から、アメリカ依存、あってはならない司法への介入まで、弱さの象徴が随時に見られた。誰かが審判を下さないといけないギリギリの時期に来ているという、のが私の見方であった。
国民の中には、あきらめと失望が蔓延して、怒りを忘れたか、または怒りを押さえつけてきた風潮が見られた。あたかも超保守的な政治は、独立独歩ができない日本人の自己保存そのものであった。
今度の地方選の目玉となった、「維新の会の進撃、女性知事の誕生、および若い国際派の男性知事」、に私はかすかな希望を見出すのである。有権者はじっと我慢しながら何かが起こるのを待っていたのかもしれない。本日知人の26歳の独身女性と話し合った。彼女は今回の選挙結果を「よかった、素晴らしい結果が出て、私も勇気が湧いてきた」と。少しは怒りをもって古い体制を破らなければならない。当たり前と思うが、将来の展望を打ち立てる人材を政界には必要だ。他力本願ではなく、国民一人一人が政治について考える時期がようやく来たと思いたい。