ステイーブン バノン 元アメリカ合衆国戦略補佐官は、8月に解任されているが、やはり「トランプ大統領の影のアメリカ大統領」という下馬評はなかなか看板を下ろせない。16日に放映の「NHKのインタヴュー」では、極め付きのタカ派の片りんをのぞかせた。
「北朝鮮との硬直状態をどうみますか」という記者の問いにたいし「硬直なんかしていない。いまだ継続しているのだ」と答えた。そして、中国問題については「中国は合衆国の政策を理解するはずだ」とアメリカ主導の世界戦略を説き、「アメリカを無視しては中国は成り立たない」とアメリカ優位の米中関係を強調した。
北朝鮮に対し、アメリカは戦火を開く可能性は少ないと戦争論には否定的だった。トランプ大統領の一連の演説がいかにもアメリカが北朝鮮を攻撃する可能性あるように聞こえたが、この日のインタビューでは、バノン氏はそれはほぼないという印象をあたえたのだ。
つまり、彼がトランプに植え付けたアメリカファースト思想は、対中国にも当てはまるということなのだ。アメリカと中国が現代の超大国であるから、アメリカが一歩も譲らないのは当然ではある。とバノン氏は言いたいのだろう。中国はいくら背伸びしても、アメリカの軍隊の優位性は揺らがない。科学技術でも、アメリカにはかなわないだろうと、バノン氏の顔にはそう書いてあるようだった。
強硬派のバノン氏は他の閣僚と意見が合わず。8月8日に戦略補佐官をやめたが、あい変わらずトランプ大統領とは、兄弟のような仲が続いているらしい。