ゴルフの飛距離が落ちたり、食事の時の姿勢が悪かったり、老人だから仕方ないとは思っていましたが、何気なくスポーツクラブの壁に貼ってあった張り紙を見ていて思いつきました。インナーマッスルという聞こえのいいところ、筋肉を少し動かせば役に立つ、と普段頑張らない私でも、多少は健康の役に立つかもしれないと。
NASの板橋先生は姫路の出身で、私の第二のふるさと、上郡(かみごおりー姫路から西へ約1時間)とは近いので、話が弾み、結果私はこのマンツーマンの授業を受けるためにサインしました。ピラテイス看護師が傷病兵のリハビリのために工夫して編み出した方法は最初私を戸惑わせました。同じ腹筋の鍛錬でも、普通私たちがやっている腹筋の強化法とは違っています。ですから、私の日常の動作と異なるので、え?そうですか、などと聞きながらうつ伏せになったり、あおむけになったり、背中を伸ばしたり、ひねったり、肩甲骨周りを上下左右に動かしたり、慣れないことをしますので、私は次の日はなんとなく体の奥が痛むのです。
人間は普通肩が痛いとか、背中が痛いとか、足が痛いとか、大体凝ったり痛んだりするところは決まっています。ピラテイスでは、インナーというぐらいで、どこが痛いのかよくわかりませんが、全身の中のどこかがつらいのです。3日目にはそれも取れました。板橋先生は口が上手で、「では、両ヒジを床について首背中をゆっくり持ち上げましょう」と言います。「では5回やりましょう」と言いながら「ちょっとちがいます。肩の筋肉は使わないで背中で、、持ち上げるように」などと言い、2.3回進んだら「それでいいでしょう、ではあと3回」と言います。私は何気に計算していたら8回その動作をやらされていました。
挙句に「吉野さんは物わかりがお早いですね、なかなかご理解できない人もいるんですよ」とほめて締めくくります。この人にかかっては、私は幼稚園児と同じだなと思いながら、ひとセットづつ消化して45分、代金は3450円でした。
ピラテイス、どこかで聞いたことのある命名だと思っていましたら、思い出しました。北八ヶ岳のロープウエイの駅の周辺の高みを「ピラタスの丘」と言います。そうか、もしかして、山登りの拠点にある高原でたくさんのペンション群をリゾートポイントとして売り出す目的で、ピラタスの丘と名付けたのかもしれないと想像してしまいました。かつて、北横岳からの帰りに、友人と大きなガラス張りのラウンジが自慢のペンションに泊まりました。この広いガラスを通してみた北アルプスの夕映えにシルエットンとなる槍ヶ岳、穂高岳の姿は壮観で、私たちはペンションのオーナーと夕焼けを見ながらワインを酌み交わして山のことなど談論したことを思い出します。まだこのペンションあるのかなー。リクエストがあれば私が調べます。