最初の疑問はヤクルトってどういう野球するの?ということ。巨人の長嶋時代にわたくしの野球ひいき人生は終わっている。あの頃のわたくしの決断は「長嶋の前に長嶋なし、また後にもなし」私は野球をほぼ知らない人のほうであるが、その時すでに野球ファンを放棄している。特にヤクルトというのは私にとって無名でとりとめというか、つかみどころがない。そういえば、ヤクルトファンには失礼であることは承知しているが、何しろヤクルトの何も知らない。ところが私がフジテレビの[Fuji TV one]という放送局になじんでから、この局が毎日のようにヤクルトの試合を放映しているではないか、と気づいた。
多分スポンサーの関係から、この局がヤクルトと契約を結んでいるに違いないと思い及んで、私は否応なしにヤクルトの毎回の試合を観戦せざるを得なくなった。去る7月7日、ヤクルト阪神戦をビデオで流しているところを途中から参加したわたくしは、ヤクルトの(多分)無名の選手たちが一生懸命になって、4-4の同点を2点加点して勝利をもぎ取った試合には、なんというか、判官びいきのような気持ちに盛り上がったものだ。
緑色の傘をフリフリ観戦しているヤクルトファンは、きっと、セーブの主役マクガフの投球には舌を巻いたかもしれない。かくいうわたくしは、彼の投球には感心した。早い直球によく落ちるツーシーム?。阪神打者も9回のチャンスには必死で追いかけたが、ヤクルトには守備のいいのがいて、ランナ―を刺殺している。投げて、打って、走って、刺す。これぞ野球のだいご味。久しぶりの拍手が自然に私のゼスチャーになった。
近隣の住人オカダさんは、夕方になるとソワソワしてくる。なぜかと聞けば「これから西武の試合がある」と言う。少しうらやましく思った。大したチームとは言えなくとも、そのチームを愛する、応援する気持ちって、いいな。と思ったこともあった。野球といえば、海の向こうでは大谷が派手なパフォーマンスで沸かせている。私はロスアンジェルス ドジャースの本拠地ロスで仕事をしていたので、アメリカの選手はよく見ていた。大谷投手、日本選手の弱点は体力、怪我は怖い。自分以上の無理はするな。怪我しないようにやってくれ。とエールを送りたい。それ以上にわたくしはこの度引退する松坂投手に「お疲れ様」と送りたい。素晴らしい西武のピッチャーだった。