6月30日恒例の大井競馬場でダートの頂上決戦「帝王賞」が行われた。そして、いつも中央の馬が上位を占めて、何の変哲もない交流試合が、おおさわぎにおわったのである。一位には中央のテーオーケインズ、という学者風な名前の馬が人気4番で、優勝した。それはいい、しかし、続く2,3着の馬は大井所属のノンコノユメ(9歳)と 中央のクリンチャー(7歳)、両者ともに人気が低く10番と6番であった。
地方交流といっても元は地方競馬の振興に役立つように、JRAがテコ入れしてきた催しであるところから、中央の馬がほとんど勝って繰り返し賞金を横取りしていた。私なども、中央から5頭参戦するときは、1-5着まですべて中央の馬が占拠することが多いので、この5頭でボックス買いすればいいのだと、すこぶる味気ない思いはしてきた。
今回は中央のダート界の常連である、オメガパヒュームとかチュウワウイザードとかオーベルニュ、ダノンファラオなどが参戦していて人気になっていた。ところが、この人気の各馬が今回は負けてしまって、大井に帰っている(かつて中央で活躍した)ノンコノユメが連対したから、3連単は初めての、238万とレース市場最高の配当金が出た。マスコミは大きな活字を使って大騒ぎになった。
私たち平凡な競馬ファンはそのようなおたから馬券に巡りあうはずもなく他人事とみて、ただただ「すごいな」とつぶやくばかり。そしてふり帰るのは、交流試合って何だろう。JRAの独りよがりではないのか、交流が競馬の施行に役に立っているのか、それよりもファンを引きずり込んで何が役に立つのか、もう一度振り返ってみたい。
もとをただせば、JRAは農林省である。よって私はJRAのたくらむ地方交流とは、中央政府が予算を地方財政の補助に使うことと同分ではないかと考える。私は行政がどのような方針で地方財政を立て直そうとしているか興味はないが、どうせ我々の財布を開かせるのであれば、願わくばぜひとも競争社会の中で、強者は残り、弱者は退場し、フェアな勝敗を決してもらいたいと願うのです。