90歳にてまだ現役、ロマンポランスキー監督(1933生まれ)の映画を見てきました。

「オフィサーアンドスパイ」というタイトルでしたので、見過ごすかもしれなかった。本来のタイトルは「告発」でしたが、日本に配給するにあたって、これでは地味すぎるので、日本に合わせて、変えてみたのだろうと想像します。でもこれは失敗です。

ドレフュス事件はなんと、1890年でフランス軍に起きたスパイ事件のことで当時は政界、軍部、社会で大騒ぎになったようです。私が生まれた1936年になっても、まだマスコミが取り上げていたほど世界に影響を与えていたようです。私もその事件については、何となく記憶にあります。フランス軍の下級将校が、軍の秘密をドイツに流しているのが(実はえん罪でしたが)ばれて罪に軍法会議で罪に問われました。本人は無実を訴えましたが拘束され牢屋に閉じこまれてしまいました。

新任の防牒担当のピカール中佐がその事件に気づいて、この事件を解明しようと努力しました。この中佐が映画の主人公です。軍上層部の反抗、うその証言、偽の手紙(当時のスパイは、せいぜい手紙を書くくらいで、情報伝達は幼稚なものでしたが)など証言と証拠があやふやな中で、孤軍奮闘しました。この中佐は実に人間らしくて、上官の奥方と長い間浮気をしていました、いつかは一緒になりたいと願っていながら、途中でばれてそれが裁判では不利になったりしました。これって実話かな、それともポランスキーの作り話かな、といぶかってみていましたがなんともほほえましい ポランスキーは鬼才と言われました。昨今は淫行で裁判沙汰になっています。彼の作品には「戦場のピアニスト」、「水の中のナイフ」、「ローズマリーの赤ちゃん」、などがあり作品が賞を総なめにした時代もありました。

わたしは、今までフランスとかイギリスの国家、思想、国民性、共和制(特に日本との比較上)、などに興味を持ち続けてきました。そういう観点からこの映画を見ていると、なかなか興味深いです。しかし軍部は軍部、強い統制のものとに上位下達の組織、なかなか手ごわいので、ピカール防諜部長はえん罪を取り除こうと苦労をしました。「私は誰の味方でもない正義を貫きたいだけだ」という意味のセリフを吐く場面ではジーンときました。フランスとは?またイギリスとは、が私の昨今のテーマです。ロシアのウクライナ侵攻以来、私は外交の巧者、フランスとイギリス、つまり民主主義国家側の対ロ戦略に大きな関心をもって見守りました。マクロンは選挙を前にして、プーチンとの交渉に活路を見出そうと(投票者の人気を取るということですが)していましたが、イギリスはもっと露骨で、堂々と近代武器を貸与していました(ロシアの兵器は恐ろしく陳腐で、私たちのような平凡な市民でさえ笑ってしまいたくなります)。さらにウクライナの大統領の身辺を警戒していました。つまり、プーチン、ロシアの奥の手である暗殺が実行に移されることは火を見るより明らかだったからです。この両国は、言うまでもなくフィンランドとスウェーデンのNATO加盟には賛成です。

それにつけても難民の100人も難癖をつけて受け入れない日本とは、、、いつまで鎖国を続けていくのか、あきれるばかりです。