夏中はあまりの暑さに朝の散歩さえ控えていました。9月に入ってようやく朝晩が過ごしやすくなって、私も歩きたくなりました。新装なった?大栗川のバンクの遊歩道を歩きましたが、今朝に限ってとても贅沢な気分の朝でした。春の終わりごろたったの5羽(うち母がも1羽)しか見られなかったカルガモが大栗川の下流領域には18羽に増えていました。いずれ上流からでも降りてきたのだろうとは思いますが、やはり数が多いのは歓迎です。用心深いアオサギが私の歩く姿を遠目に見たためか、さーっと飛び上がりました。

1キロほど上流に向けて遊歩道を歩いていくと、カルガモが2羽いました。私はその2羽に向かって両手で、川下を差して、「あっちへ行ったら仲間がいるよ」とゼスチャーを見せました。そうしたらこの2羽はさーっと飛び立って川下に向かいました。私のゼスチャーがわかったんだなとひとり合点しました。ひと里に近い鳥たちは、人間とある部分では生をともにしていることがありますので、まんざらでたらめとは言い切れません。幸か不幸か、野鳥も人間に生活が馴化してしまうところがあります。

その例として、歩いてゆく先に緑色の鳥がきらりとはためいたのが目に入りました。キングフィッシャー、カワセミです。今朝はカワセミは2羽目撃しましたが、カワセミの生態を追いかけている日本野鳥の会は、カワセミが多摩川の上流から川下へ徐々に生活の場を移して(あるいはひろげて)来ているのを見つけました。これはすなはち、多摩川の水がだんだんきれいになっている証拠なんですね。環境の変化を水質調査などしてデータでとらえなくても、私たちは鳥の生態を見ているので、環境が良化しているのがわかるのです。

こういう日本の環境の好転には50年以上もかかっています。今の中国も、東南アジアの各国も、いづれ美しい自然を取り戻すことを国家の目標にするでしょう。今経済成長が高い東南アジアなどの各国の優位性を強調する人がいます。その通りではありますが、少し長い目で見ると、(また成長ではなく)、住む環境とか、郊外とかに目をやると、日本の先進的な地位というものは、揺らぎませんね。私はそういうことを考えて、自分が投資の世界にありながら、なんとなく安心するのです。