私は疑い深いのでしょうか。トクホと聞くと何やら「おかしい」と思ってしまうのです、食品ということならば、中国3000年の歴史の中で伝わってきたように、医食同源ですから、食が医薬の代わりの役目を果たすと考えるのは当然です。私が気になったことは、サプリメントの効能をどういう風に理解したらよいかということです。あるとき血圧を下げるサプリメントについて臨床の数をメーカーに聞いてみました。その答えは20数件でした。唖然とする私にさらに一言「人によって効果のある方とない方がおります」だと。

そういうことならば、効果が出るのも出ないのも飲む人次第ということで、効いても効かなくても、集計をしない消費者には結局なにもわからないではないか、と思いました。トクホはなんとなく耳に心地よい響きです。薬ではないので、いちいち処方箋を手に入れる必要もなく、高価ではありますが手軽にどこでも買えるのです。食品ですから、効く効かないはどうでもいいのかもしれません。効かなければそのうち売れなくなります。効けば評判を呼んで売り上げが増えるでしょう。

そして、薬と違って効能書きはないのです。タダ元気になるとか、朝の目覚めがいいとか、あいまいな表現を監督官庁のもとで強いられているのです。あまりにもあいまいで、どうにも効果を図りようがなく、思わず笑ってしまうのです。いわしの頭も信心からですね。トクホという制度は本当に国民には必要な制度なのか、単なる食品のセールスプロモーションに使われているだけではないか、消費者庁には検証してほしい。トクホ扱いだと医療費ではないので、消費者が買えば買うほど、大赤字になっている国民の医療費が下がってきます。そこらあたりにトリックがあるのかも。

ちょっと怖い話です。Pという炭酸飲料がトクホ指定になって話題を呼んでいます。母親が「トクホなら子供たちも飲んでいいのよね」とか言って子供たちに飲ませ始めました。ちょっと待って、Pは脂肪を多くとる人に設計されています。つまり大人や熟年たちのドリンクなんです。その上、カフェインは入っています。子供たちに飲ませるわけにはいかないでしょう。せっかく、このコーラを子供たちを説得して飲ませなかった家庭はまた混乱しそうです。こういう製品設計をして、得するのは誰?