かつて、北海道に飛行機で薄野の味噌ラーメンを食べに行った道楽者の話を聞いたことがあります。まあ、そこまで徹底はしませんが、私は京王線、IR山手線そして都営荒川線と乗り継いで、「とり蕎麦」を食べに行きました。しばらく前にテレビで芸能人がその中華そばをほめそやしていたのを覚えていたのです。無論、いつものように小型カメラを携えて、折あらば下町風景を撮ってみようと一石二鳥を狙ってはいました。

降り立ったのは大塚から20以上ある駅「熊野前」です。そこから引き返して「宮の前」

くだんの中華そばや「永新」があるのです。この辺は尾久という町で、私の住む街からは

一時間以上もかかる離れたところです。住宅は比較手方らしく、いわゆる古い江戸の風物はありません。歩きながら数枚撮っているうちに、「永新」の前にばったり出ました。ものすごく薄汚い中華蕎麦屋さんです。そういう意味ではサプライズですね。ちょうど昼時で中は10席ほどのカウンター席のみ。女性が3人働いています。

わたしは一つだけ空いている椅子に腰をおろすと、「何にしましょうか」と聞かれ、とっさには名前が出てきません。「あれ、テレビに出たおそば」と言いましたら、「とり蕎麦ですね」とすぐにわかりました。新聞など眺めて待っていると、そばが出来上がりました。地元のサラリーマンと思えるお客の中でも「とり蕎麦」の注文が一番多いようです。

早速アツアツの「とり蕎麦」をいただきました。味はいいです。鳥の皮つきをから揚げにして、もやしとにらで炒めた具がどっさり乗っています。さらに、細めの中華そばが黄色くて、またちょうどゆで加減もいい。そうか、だから誰かがここをトンネルズなどに紹介したのだな、と納得。満足してまた荒川線に乗って大塚まで帰りました。北からの風が強く、かつ、あまり写真を撮るような環境ではありませんでした。