2013年のきさらぎ賞(G-3, 京都芝、1800米)は2月3日に京都で実施された。私は見事にまけたのですが、その理由があまりにもドラマチックなもので、記録として、ここに書かずにはいられないのです。このレースはダービーなどへの登竜門と言われ、今年はデイープインパクトの仔が3頭出走することになっていた。しかし、それではファンはつまらない。デイープ一家をやぶるのはどれか。アドマイヤムーンの仔か、スペシャルウイークの仔か、グラスワンダーの仔か、それともあまり可能性はないけれど、フジキセキの仔のタマモベストプレイか、と大いに話題になっていました。

戦う前にすでに競馬ファンの中では予想の前哨戦が行われれていた。タマモの兄弟は、タマモホットプレイ(12歳)、タマモナイスプレイ(8歳)、チャームポット(7歳)、タマモトッププレイ(4歳)、そして、今回出走してきたタマモベストプレイ(3歳)の5頭ですが、同じ父母なので、すべて全兄弟と言えるのです。このタマモ兄弟は短い距離が得意で、1800米以上となるとほとんどと言っていいほど勝てません。この5頭の勝ち星の合計では、1600米以下で21勝、1800米以上ではわずかに3勝しただけなんです。

私はその記録を新聞で見て学んでいましたので、今年のきさらぎ賞もきっとタマモは負けるだろうなと思っていました。ところが、ひとつ気になることがありました。
それはタマモベストプレイの調教が非常によかったという話です。しかし、馬の世界では、調教がいい馬が勝つとは限りません。しかし、騎手の和田は「自分のリズムで走れば距離の壁を破ることもできるかも」と言っているのです。自分のリズムとはなにか、それは、ほかの馬に邪魔されたり、ペースを乱されなければ、本来の力が出せるということです。

そして、和田の見解は見事に達成されるのです。本命のリグベーダ、マズルファイアーが直線でおい比べしている間に、3番手を進んでいたタマモは最後の200米、と伸びて、ゴールに飛び込みました。1800米1‘48’9、ホワイロマズルの仔で逃げたマズルファイアーを首差退けたのです。私はいわゆる血統の常識に縛られて、馬券ではタマモを無視していましたので、瞬間あっけにとられました。過去の統計にとらわれて、調教師や騎手のコメントを頭から無視した咎めです。

とにかく、タマモベストプレイ、きさらぎ賞をもぎ取った馬、今年の皐月賞(2000米)、ダービー(2400米)まで出世できるか注目しましょう。