2011年の年の終わりの12月末、中山競馬場は熱気にあふれていました。騎手の岩田と福永が騎手の年度最多勝と勝率をかけてデッドヒートの戦いを繰り広げ福永の単勝をすべて買っていたのです。結果は、福永が2012年通年で133勝して勝率第一位に輝きました。私は福永を応援して、その甲斐があったというものです。自分の勝って応援ですが、私は満足しました。

扨て今年、4月20日(土)現在、午前のレースを終わったところで、福永は生涯(騎手生活18年)の勝数1399勝にまで到達していました。午後1勝できれば1400勝という偉大な記録を達成できるのです。騎手生活で1400勝以上の記録を持つ騎手は武豊はじめ13人。そのうち現役ではわずかに7人です。よって福永は8人目の1400勝達成騎手になります。ところが、20日は結局午後は勝てずに次の21日(日)に持ち越しとなりました。こういう時は、騎手たちに言わせると、最後の詰めで固くなると言います。

21日(日)私は所要のため朝から外出するので、オ-クストライアルのフローラS(G-2)のために東京でレースをしている福永の単勝を3,4,5,6レースと続けて前売りで馬券を買いました。帰宅して調べると、やっぱり!! 福永は6レースでフミノファルコンという馬に乗ってついに1400勝を達成していたのです。単勝は370円でしたので、若干の持ち出しではありましたが、とてもうれしかったのです。この男、応援のし甲斐あるなー。

祐一の父洋一は稀代の天才騎手でした。残念ながら競馬の事故で半身不随になって、長いリハビリにもかかわらず、復帰はなりませんでした。私はその様子を少しは知っていましたので、判官びいきとでも言いますか、息子の祐一を応援してしまうのかもしれません。それよりも彼の態度が好きなのです。ユーモアのある会話、ズバリ確信を突く針のような口調、そして何よりも上手な騎乗技術、競馬の世界にもDNAはあるのかなと思わせるさばき、などが素晴らしい。しかし、武邦彦の息子武幸四郎が兄豊には到底及ばないところを見ると、DNAはないなと思わざるを得ません。

武豊が不調になってきたここ数年、祐一は「自分がしっかりして豊さんの後を引き継がなければならない」と意欲をもやしています。そういう使命感がまた騎乗技術を向上させているのですね。私はあまり熱を上げないクールな競馬に徹しているつもりですが、祐一には負けます。ちょうどこの日、横山典騎手は2000勝を、吉田豊騎手が1000勝を達成しました。みなさん、おめでとう!