大和田は小田急梅ヶ丘駅前の小ぶりな「ウナギや」です。小ぶりと言うか小さな構えのうなぎ屋です。客席は1階に6人、2回に10人くらい。家族で経営していて、娘さん(らしき)若い女性が手伝っています。梅ヶ丘は駅前にいわゆる「美登利寿司」本店があって、いつも20人くらい客が店の外で待つという有名な大繁盛の店があります。それに比べれば猫に対する鼠のように小さなウナギやなんです。

大和田のうな重は正式には、と言うか正価はお吸い物付きで3400円です。ところがお昼に限って、この値段が割引になって2400円に下がります。そしてお昼の目玉うな重の小型のお重は1800円です。ところがこの1800円が極限の値段ではなく1500円まで下げています。ただし、このお値段はお店にとっても厳しくて重箱が普通のサイズの6掛け位小さいのです。

つまり、お昼のうな重は3段階の値段があるわけです。1)2400円、そして2)1800円、さらに 3)1500円。そんなに値下げすると、品質も何も落としてくるのではないかという疑問が客の胸の内にむらむらと湧き上がってくるのは必定ですね。しかし、テーブルの上には、透明なファイルが置いてあって、いわく「ウナギは小さくしても品質は変えていません。それに、ご用意する工程もサイズにかかわらず同じです」と言った意味のことが書かれています。

健気です。お吸い物もついています。私は1500円の小ぶりなお重のウナギをほおばりながら、商売の機微について、考えされられるのです。私のような老人とか逆、いまだウナギになじみがない小さな小学生の子供とか、1500円の小ぶりは重箱でもお昼ご飯として適していると思う人はいるのです。こまやかなマーケッテイングですねー。