本当は政治とか政治家のことをブログには書きたくなかったのですが、日本の政治トップに対する世界の反応がこのところネガテイブなのであえてテーマとしました。安倍総理の度重なる失敗、失言はどこからやってきたのでしょうか。あまりに唐突なので、私たち国民も戸惑うことばかりです。最近の海外からの安倍総理の評価はものすごく下がってきています。アベノミクスで花開いた政治は、今や花はしぼみ、今しも枯れようとしているようです。私はあまり政治の議論は避けるようにしていますが、今回ばかりはアベノミクスのスタートが順調だっただけに、第三の矢を射る時にあたって、このところの日本をみると、私は外国人同様不安で仕方ありません。

靖国神社参拝、ダボス会議での応答、政治が民間に介入する北風政策、どうして支持や応援している人たちを失望させなければならないのか。思慮に欠けた行動、発言はどうして起こったのか、日本人は安倍総理にはいまだ50%以上の支持をしていますが、どうして私たち日本人がイエローカードとかレッドカ-ドを安倍政権に提示して、選挙民の責任として、支持率を下げて、注意を喚起しないのか、私には不思議です。

安倍総理はタカ派で自他ともに許しています。その証拠に憲法改正には熱心に取り組んでいます。タカ派でもハト派でもよろしい。ただ中曽根、小泉時代とは異なり今や世界は複雑な様相を呈していて、かつ、東南アジアの緊張は高まるばかり。また、一方でアベノミクスの素晴らしい成功が注目を集めていて、こういう時期、ちょっとした軽はずみな行為が(例;NHK会長の発言など)致命的な痛手になることもあるのです。

おおやけの場での発言には慎重な準備と思想の裏付けがあるはずですが、いったい安倍総理のブレインはどうしたのでしょうか。靖国神社の参拝には自重や抑制をはたらきかけ、ダボスでの発言では、安倍総理のブレインは日本中国の武力衝突の可能性という質問に対し「ヨーロッパの100年前のイギリスとドイツの関係」に触れて誤解されました。そうしないように周りで進言するべきでした。閣僚は「外国には安倍発言に対して誤解も多いし、説明すればそれで一件落着となる」と考えているようですが、いまのように中国や韓国との間に歴史的な緊張関係があるときに、わざわざその緊張を助長する行為は、わたし的には、思慮の足らない発言に映ります。つまり、正しいとか、整合性があるとかではなくて、「タブーを破っていいのか」という疑問です。その場限りの思いつきのような発言が日本国民を危険な目に合わせかねない重大なものであると受け止めます。

安倍総理と政府は初期の金融、財政政策では大いなる成功を遂げました。しかし、はっきりしているのはそれまでです。今は、よほど難しい政治問題に直面しています。日本がかつての栄光を取り戻すための施策を取り入れなければなりません。「成長率の押し上げにつながる構造改革」(フィナンシアル タイムズ紙)が待ったなしでしょう。成長を阻害している公務員制度、TPPの導入、雇用、賃金政策、労働政策、にメスを入れて、矛盾しているのですが、同時に財政の健全化も果たさなければなりません。女性の登用のルール化、経団連を広報的に使った賃上げのすすめ、やりやすいところから手を付けているのは理解できますが、今のところ今年度の日本の成長は1.4%がいいところで、このままでは株式市場が持続的に成長する条件は十分に整っていないと思います。せっかく順調に回復してきた株式市場も、惜しいかな、世界の道徳観や評価を無視した軽率な行為で、ダメにしてしまうのか、戦後の処理をあいまいにしてきた日本民族の無責任体質を今また問題としている内外からの批判は強いのです。