我が家では連れ合いが「QVC」ファンで、ほぼよその通販には見向きもしない。それには理由があるようで、いろいろ聞いてみると、何よりも「製品に信頼性が高く安心だ」ということ。当然価格は店頭で見るよりも、コスト(在庫とか、運送、店頭陳列とか)が低いのでその分は安い。QVCは通販を希望するメーカーを厳選しているらしい。つまり品質を重視しているわけだ。それに顧客の信頼を得るには何といっても製品の品質が高くなければならないだろう。

私は、今や隠居の身で、テレビでも見ながらごろごろしているわけだが、どうも怪しいと思う通販会社がある。実際はどのくらい怪しいかは知らない。ただそう思うわけだけだ。それらには次のような特色がみられる。

  1. 広告の仕方が大げさで、誇張している。設立わずか20年の世田谷自然食品という新入りの健康食品会社は、なんと乳酸菌が100億はいっているなどと宣伝しているが、ばかばかしい、そういう数え方って通用するのだろうか。
  2. 定価からの割引率が高く短期に販売実績を上げようと焦る。これから30分以内にお電話ください、そうすれば送料は無料にするとか、あと一個無料で加えます、とか顧客を焦らす。岡山県の山田養蜂場も業界新入りだが、テレサービスの説得力は強いので、辟易するものがある。
  3. テレビを興味深く見ている潜在的顧客(候補)に、あまり考える時間を与えないように、喋りまくるセールス担当者。どんなにうまくアピールしても、映像の力を必要としている。富山常備薬グループのリョウシンというカタカナの膝、腰のいたみに効果のある薬も、いくら取り繕ってもテレビで見せられるのは結局薬という錠剤ではないか。

私たち消費者ににわからない分野では、公取など、広告規制をかけている機関が各社の乱暴な販売競争をどのように規制しているかわからないこと。私から見れば、各社やりたい放題で、あとはクレバーな消費者に判断を任せているのではないか、大事な業界の死命にかかわるので、あまりの過大広告でも見て見ぬふりをしているのだろうか、と疑いたくなる。消費者は「適正な商品選択」をさせなければならないのではないか。