ふつうはXmasのプレゼントは物品です。チョコレート、お花、本、ファッショングッズ、おもちゃにスポーツ用品に電気製品などなどということになりますが、わたくしたち430人の老人の社会施設には主催者の肝いりで、演奏会を開いていただきました。イブの日、西に陽が傾いて周囲が薄暗くなったころ、国立音楽大学の学生5人が現われました。舞台にはピアノの男性のほか、ヴァイオリン2名、そしてヴィオラとチェロの女性4人での弦楽四重奏団とでも呼ぶのでしょうか、華やかなドレスに身を包んでそろいました。
まあなんということでしょうか。私はコロナ禍のため会えない孫たちの初々しい姿を思い出しました。まだまだあどけない顔立ちの若者が音合わせをしてから、ゆっくりと演奏に入りました。プログラムは私たちになじみの曲目を用意してあって、しかも短く編曲されて、私たちは座りつかれることもなく、また退屈もしないで楽曲を楽しみました。
演奏は まずマライアキャリーの恋人たちのクリスマスで始まりました。続いて山下達郎の永遠のヒット曲 クリスマス・イブ、そしてバッハのカノンと(私の好きな)くるみ割り人形 のメドレー、葉加瀬太郎のエトピリカ、坂本龍一の戦場のメリークリスマス、最後にモーツァルトのアイネクライネで演奏を締めました。
数週間前にわたくしは TVの映画番組で「くるみ割り人形の、クララと4つの秘密の王国」というディズニーの映画を見たばかりで、あの行進曲が響くと映画のストーリーを思いだして感激してしまいました。人形の兵隊とクララが協力してネズミの軍隊と戦うお話は今から200年前の1816年に作られたとは到底思えない興味ある童話、そして後日交響曲に仕上げたチャイコフスキー、またバレーにもなった世界的な名作ですから誰にでも愛されていますが、とりわけ私はくるみ割り人形の楽曲には弱いのです。とてもとても、いい一日でした。