いつものコンクリつくりの散歩道を歩いていました。川沿いのコンクリの道には手すりがついていて川の中には転がり落ちないようになっています。その手すりの上のところに小石の重しの下に10センチ四方くらいの紙が一枚はさんでありました。思わずその紙を取り上げて読んでみました。雨模様の昼下がり、周りには誰もいません。

文面の趣旨は「私はつい先日このあたりでハンカチを落としたようです。気が付いて翌日また散歩していたら、ご親切な方が私のハンカチを拾ってこの手すりにおいていだたいたようです。どなたか知りませんが、ありがとうございます」といった内容でした。

わたしが拾ったわけではないですが、なんだか嬉しくなりました。字がきれいで、文章もまたよくできていました。きっと教養のあるおばあちゃんなのだなと思わせました。私は内心ニヤニヤして、その紙をもう一度元のところへ戻して石を乗せておきました。

それだけです。