初詣と決めたわけではないですが、1月上旬高尾山に行ってきました。行ってきたと言いますのは、ミシュランの“余計なお世話”で今や観光地化した高尾山に私が“登った”と書くほどノーテン気ではないということです。小銭をチャラリと派手にならせてお賽銭とし、薬王院で簡単に拝みました。私はいつも神社仏閣にお参りするときは、わずかの願いだけを込める習慣です。なんでもかんでも神様お願いと言って丸投げしてしまうと、自分の運命全部神様任せになってしまうという劣等感から抜け出せないのが嫌なんですね。そこで思い出しました、孫のユウマ君(9歳)がクリスマス前に「サンタさんは忙しそうだから、僕の願いをきいてくれるかなー?」と本気みたいな様子で心配していたというのです。彼が子供から少年になる瞬間ですね。サンタの存在を疑って子供は少年になるという言い伝えがどこかにありました。

お願いは届くのだから善行してお返ししようというのが私の方針なんです。帰路、境内の外で老人が道端に寝そべっていました。病気らしく若い人たちが4-5人世話を焼いて今いましたが、緊急の気配がなかったので、私は通り過ぎました(善行チャンスを逸す)。あにはからんや、しばらくしてサイレンの音が麓のほうから聞こえてきました。赤い救急バイクの登場です。そのあとに赤い消防車が2台続きました。この消防車、色は真っ赤のまさに消防車風ですが、なんとミニカーだったのです。むろん道幅が狭くまた坂もありますので、本物の救急車両は登れません。つまりこのチームはきっと高尾山用「山登り救急隊」だったのです。

長い間高尾山に通っていて初めての遭遇で、少し笑いました。しかし、病人がどのような状態なのか見当もつかず、私は天下の宝刀オリンパスペンデジタルのシャッターは押せませんでした。報道の責任のないアマチュアの限界です。ともあれ、帰宅して翌日、親戚の若い人が働いている原宿のICIに飛び込みました。少し議論した後、かのイタリー製でイタリーブランドの軽登山靴SCARPAを買ったのです。ついに30年も履いた登山靴とおさらばしました。どうして衝動買に走ったのか、わからないのですが、私は前日の事故を見て、まだ山登りを捨ててはいかん、などと思ったのかもしれません。グレイとワインレッドのツートーンカラーのスカルパが足元のところで私を助けてくださるように心の中で願いました。