謎の蝶と言われている、アサギマダラとバッタリ出会いました。感激です。なぜ謎の蝶と言われるのか。それは生態のことですが、この蝶は最長2000キロ、いつもは1000キロを飛ぶのです。なぜ?いまだ全日本蝶学会(?)でもわからないのです。普通は季節によって温かい方に移動するというのが、ミグラント=野鳥などの移動の常識ですが、アサギマダラの長距離飛翔はそう簡単には割り切れないようです。

アサギマダラは羽が透き通っていて丈夫です。と言うことは我々人間が、その羽に油性のペンで字を書いても大丈夫なのです。たとえば福島県で捕まえたアサギマダラの羽に日にちと氏名場所を書いて、もいういちど空に離すのです。今度は沖縄あたりで、くだんのアサギマダラを捕まえた人が、羽に書いてある福島県の人に連絡するのです。それで初めて、この蝶がはるばる1000キロを飛んできたということがわかります。

そして、私は謎を秘めたアサギマダラの習性を書いた本を読んでいました。で、一度はその蝶をまじまじとこの目で見たいと願っていましたが、この夏、何気に清里の北の斜面、つまり八ヶ岳の南の斜面に愛称=サンメドウの「テラス清里」と言う展望台ができたので(ちょうどスキー用リフトの終点1900米点に)、そこへ行ってみたら、目の前に咲くシモツケソウ、ハクサンフウロ、シシウド、ツリガネニンジンなどの高山植物に2頭(2羽)止まっていました。私はちょっとドキドキしながら、アサギマダラを写真に撮りました。

ここで会えるのか、私は感無量でした。オオムラサキの故郷に近い場所で、アサギマダラに出会えるとは。私は、近くで眺望を楽しんでいる善男善女に心底から大声て教えてあげたくなりました。