まいにち毎日巷におけるテレビの「消費税インタビュー」、新聞の「消費税導入スケジュール」、政府の「用意周到な準備状況」などに触れていると、私はうんざりしてしまいます。大反対ならデモをしようではありませんか、反対しないなら前向きなコメントを出しましょう。政府もおどおどしないで強い指導力を発揮しましょう、と私的には強く願うのです。
消費税はすでになじみがあって今更驚くことでもないでしょう。国際比較をすれば、5%というどう見ても低い日本の付加価値税、消費税がわずか3%増えるというのです。
たしかにいくつかの問題は残っています。まず消費税で増加する間接税額収入は何に充当されるのでしょうか。それを提示するのが遅すぎます。どうして政府は納税者を安心させてくれないのでしょうか。たとえば、年金を中心とした福祉目的とはっきり表明できれば、間接税で支払った税が直接税の税率低下のように消費者には有利に働くかんじょうです。フランスという先進の国では19.6%という高消費税率についても反対が少ないようです。なぜか、それはその分の税収が政府予算に組み入れられたら、どのように配分されるか、合意が消費者というか国民の間に定着しているからでしょう。
お国柄が違うので、また付加価値税はフランスのオリジナルの税制なので、フランス人は間接税にはなじんでいます。間接税をいくら取られても、所得税とか直接税は法人、個人ともに低くなっています。何しろ政府の税収の3分の2は間接税ですから。私自身も、いったん課税されたら一律で避けられない直接税よりも、自分である程度は支出を裁量できる間接税の方が、締め付け感がなくてありがたいうえに、間接税は内税なので、特に値段表からのプレッシャー少ないような気がします。
私が面白くないのは、今までの税収の中で政府は官僚主導で、無駄ばかりしてきたことです。日本中に何とかセンターという箱を作りましたが、経営の能力がないため大赤字で経費の垂れ流しになっている施設が山ほどありますが、それはたぶん地方交付税のある種のまやかし的な、遠回し的な分配方法なのでしょう。普通の会社ならば赤字事業は始末して、株主に対して責任を取ることがらでも、今まで日本の省庁がそういうことしたとは聞いたことがありません。
こういう無責任な税金の使い方をされながら、目的も不明確な消費税の導入にはは抵抗を感じる人も少なくないはずです。アベノミクスは政策として最近までは成功しました。しかし、これからは政府、官庁の整理とか削除とか、廃止とか「小さな政府」目指して率先してやらなければならない責任が控えています。本当の成功はそれをやり遂げたあとにやってくるのでしょう。よく日本の指導者は「国際公約」などと言いますが、そんななじみのない言辞を弄しなくても、ただ黙って小さな政府を目指してくれればいいのです。それにしてもできないことをコミットする政治家って多いですね。