政治に関心を持つようになってほぼ半世紀、今回の世界的な事件、すなわち ECの解体、コロナの罹患、ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射、安倍元総理の殺害、などの数々の事件が冷戦以降の世界平和の秩序を変えてしまったと認識します。特に足元の日本については、政治体制の弱体化が如何ともしがたいと思えるのです。

そこで、わたくしの提案ですが。結論としては、「イタリアの総選挙をコピーして、日本も弱小の政党を束ねることによって、(自民党が弱いうちに)念願の二大政党政治体制のもとに持ち込めないか」と発案する次第。長期にわたってわたくしはイタリアの政治体制を批判してきました。小さな政党が集まって、お互いに言いたいことを言い合って、けっしてまとまらない。しかもリーダー不在、リーダーがいたとしても、スキャンダルまみれでとんでもなくモラルが低い。

しかし今回は、首相のドラギ氏が、つまり、欧州の星スーパーマリオ氏(あだ名)が、辞任してしまった挙句の総選挙がおこなわれました。いつものように少数派の政党が乱立しててんやわんやの選挙戦だったらしいです。結局は今どきの政治の典型なスタイルである「ポピュリズム政党」がたった26%の自党得票率をもって第一党となりました。翻ってわが国の自民党が大所帯を持ちながら、国民の信頼と尊敬を失ったこととは、まるで反対ではないしょうか。

そこで、わたくしの提案ですが、まず小さなポピュリスト政党を作りましょう。タガの緩んだ実力の低下した自民党を徹底的に批判して、溜飲を下げましょう。いざ選挙では、2大政党の誕生を祈願して自民党以外の党に投票して、たくさんの野党を国会に送りましょう。さて、資格を得た小型野党は、選挙後に(小さな違いは、見過ごして 大同団結して)十分に戦えるだけの規模に大きくしましょう。どうもイタリアはそういう方向を模索したてるようです。イタリア人も全くの阿呆ではなかったのですね。むしろ知恵があるようですね。しかも選挙戦では、親ロシア的発言とかプーチンと近い元の首相、などまるで居心地の悪い政治家もいたようですが。

ポピュリズムとは、「人気取りの政治」ということで、国民の不平不満をテコに、実現できるかどうかは別として、政界の覇者になろうかという試みで、最近ではトランプがいい例です。今の国民の不満とは:

  • ―安倍元総理の首相時代の未解決事件
  • ―いかさま宗教団体との癒着
  • ―成長政策の欠如(戦略は見えない、その上人口問題、移民問題、憲法の改正、DX、英語の教育などの放置)
  • ―テクノクラート不在(内閣に専門家不在)
  • ―バンドエイド政治(事件が起こって慌てて手段を探す―傷がついてからバンドエイドを張るような)

などでしょうか。今までの政治の在り方が変わらないと、これからはイタリアの後塵を拝することになるような気がします。