このタイトルに色気があるか、ないかわからないが、私が駅前の景色と風俗を撮り始めたのは、わずか数か月前のこと。飯島先生が、千歳烏山駅前を撮ろうと企画してくれたのがきっかけだった。以前に井の頭線の久我山駅から千歳烏山駅の北口まで寺の街を撮った時はあまり感じなかったが、飯島先生の感性は私から写心を引き出してくれた。

さて、仙川は千歳烏山の下流である。つまり八王子寄りの駅だ。以前仕事仲間の奥野君と寿司屋に行ったことがある。今その寿司屋の向かいが「ばかたれ」というラーメン屋。おかしな町だぜ、、、と独り言をいいながら暑い2017年の夏の午後をキャノンM3片手に歩く。あまりピンとくる風景には出会わない、それとも感性が熱気で溶けたか。だらだら歩いていると「Kickback Café」にぶつかった。外装を撮ろうかどうしようか迷っていると「撮るんですか?それならちょっと休んでいかれたら」と店の中に誘ってくれた。健康な感じの美人で、私も気楽にお話しできるとおもった。「Kickback」 って? と聞くと「ほらアメリカでは一休みっていうじゃない」「なるほど、次の機会に仲間を連れてくるよ」と言って、四方山話をして、一枚外観を撮って引き上げた。ついでにその女性のスナップを撮ろうと構えたら、「私は撮られるのが嫌なの」とあっさり断わられた。こういう場面は慣れているので、平気である。

次に混み合っている商店街をパチパチとスナップしながら歩いていると、「Mother Tea」

という店にたどりついた。紅茶にビスケットで一休みする。ぼく「アールグレイでなければ、飲み物はアイステイーにしたい」とウエイトレスに聞く。「嫌いなんですか?アール-グレイ」と彼女。アールグレイはくさいし、アガサ クリステイーが探偵小説によく使うので、(つまり、エルキュール ポワロ主人公のやつ)、いやなんだなあ。と喉まででかかった愚痴をを飲みこみながら、彼女の説明に耳を傾けた「うちはキャンデイーですから」あんしんしてよいということだ。「スリランカか、それいただこう」

帰途代金を払う時、彼女が聞いてきた「どうでした?キャンデイーは」と。「無論おいしかったよ」(だってキャンデイはアイステイー用の紅茶ブランドだもんな)と私の独り言。かわいい女性だった。