メジャー ベースボールチーム「Athletics」 のGMが主人公のものがたりです。ゼネラルマネジャーの役は ブラッド ピット です。弱いチームなので、選手の待遇はNYヤンキースの5分の1ていど。金は出すが口は出さないはずの、しかめ面のオーナーがいますが、貧乏世帯なので、結局金も出せないのです。金持ち球団と比較して不公平そのもの。リーグ最下位を抜けださんものとブラッドピットは悪戦苦闘します。選手は試合を投げ出していて、遊んでいます。ファンもそっぽを向いています。コーチ、スカウトは古い経験を重視して選手の評価をします。

GMはついに意を決して、権限いっぱいを使って、チームの立て直しを始めました。これがこの映画の真骨頂です。ペナントレースの途中ながら、まだ使える選手を放出して、無名の、しかも怪我もある選手を掘り起こし始めました。それには数字に強い、分析力のある若い大学卒の片腕を作用したのです。「君を今日から使う、おめでとう」と言うだけで、採用です。採用と馘首の決定が数分という大リーグならではの切り口。そして、選手採用とトレードの基準は、あくまで“出塁率”でした。打率や守備などは無視します。打てなくても4球で出塁していればいいということ。

「これじゃーベスボールではなくてマネーボールだ」とコーチやスカウトの大反対に会いましたが、改革を強引に進めます。そのスピードが気持ちいいですね。リーグの途中でも他チームのGMに電話をかけて選手の交換を提案します。まだ使える選手を放出して、弱そうな選手を採用する、一見反対の方向でしたが、ついに成功して21連勝を飾ります。ペナントレースの途中で選手を首にする時のセリフがいい。「首を切るときはさーっとやれ、ぐずぐずするな、お互い苦しみが長く続いてしまう」と。

良かれ悪しかれそれがアメリカ社会の契約なんだなと納得します。勝てばどんどん出世できるが、負ければ捨てられる。競争の過酷な環境にはありますが、選手も、球団もそれで納得して野球を続けています。GM役のブラッド ピットはかっこよかった。そして、アメリカの野球、“ベースボール”の真髄をそこに見ました。

アスレチックスに起きた奇跡のリーグ優勝の実話でした。とても感動的でした。