話によると、どこかの映画製作会社が ゴーンさんを主役とした映画を作る企画があるという。それが、実現したら、これは見逃せないと思う私です。なぜそんな話が出たのだろうか。ある報道会社の日本代表が語るには、ゴーンさんの記者会見は成功したからだという。つまりゴーンさんが幾度となく、英語その他の言語を駆使して世界のメデイアに訴えた「自分は裁判から逃れたのではなく、日本の司法の不正からにげたのだ」という語り口が、世界のメデイアの関心をとらえたのですね 。

ゴーンさんの事件を(外国メデイアで追っていた)元女性証券アナリストはゴーンさんの主張はおおむね納得、理解のできるもので、日本側の日本語による反論は効果は出なかった。と述べています。映画の制作の姿勢はまだわからない。単なる業界人の思い付きに終わるかもしれない。けれど、1)旧態依然たる日本の司法がテーマになるかもしれない、2)ゴーンさんの人生がテーマかもしれない。3)又日産自動車とルノーの間の確執なのかもしれない。私が興味本位で取り上げるのは、この事件、一種の経済猟奇事件と言えなくもないからです。

ゴーンさんは会社の資産を私的に流用した、経済犯罪者なのかどうかは見どころでしょうか。次に、ゴーンさんを放逐したいのなら、なぜ日産の取締役会とか指名委員会が機能しなかったのか、なぜ有価証券不記載などいう安めの罪で告訴されたのか、ルノーとかシトロエンの攻勢から、自らを守ろうとした日産と日本政府の間に癒着があったのか、拘留期間が長くて、かつ尋問中に弁護士を同席させず、容疑者に非人道的圧力をかけて自白を強要した伝統の追いつめ作戦手法が正しい法的な措置なのか、かつて厚労省事件で村木さん尋問のときにばれた検察の不正なストーリー操作(結果冤罪を大量生産しているのではないか)等々多くの疑問が国際的な問題に発展する気配があります。

ゴーンさんがその点を鋭くついて、世界の世論に訴えたのだろうと想像します。私はゴーンさんが正しいのか検察が正しいのか、わかりません。しかし、日本の検察当局が99%の検挙率などとうそぶいている検察の未熟な捜査は明るみに出さなければ、今でも冤罪で泣く多くの潜在的無罪の人々が浮かばれないと思うのです。