毎年、そして毎月「配当取り」について考えます。ちょうど一般の投資家が「株主優待」について、考えるのと同じようなペースではないかと思います。配当取りをするためには銘柄を選ばなければなりません。同時にポートフォリオ全体が配当利回り指向なのかどうかも、確認したいですね。ポートフォリオは、たとえ銘柄数がわずかに5銘柄でも、それがどういうキャラ(タイプ)なのか、知っておかないといけません。たったの5銘柄でも配当利回りを重視したものか、それとも配当利回りは無視して、値上がりを追求したものか、性格が違うということです。

毎年3月まつ、配当取りが本番を迎えます。というのは、ほとんどの上場会社の本決算が3月に集中しているので、配当政策は非常に投資家の関心を集めます。私も口座の中の余裕金を寝かせておかないで、3月末には配当付きの銘柄に投資した方が賢明ではないかと思いました。ただ利回りが高い銘柄なら何でもいいかというと、そうはいきません。配当落ち後に値上がりが見込めれば一石二鳥の魅力があるわけです。個人の勘定は配当と値上がりが同じ勘定科目ですから、株価の値上がりと配当の両方ともにプラスになってもらいたいのです。

そういう着眼点から、去る3月末はいろいろ探してみました。特に商社株が高利回りで、また3月期が配当つきなので、興味を覚えました。ただ商社株というのは一般にあまり理解されていなくて万年割安に放置されているものです。配当の権利が落ちてからはたして、値上がりがあるのか(人気が出るかどうか)、よく見通せません。それでも結局、いつもならあまり関心を払わない伊藤忠(8001)を買って見ました。Y1204でした。配当は年46円の半分の23円です。そして理論的には23円安になるはずでしたが、相場全体が弱かったためか4月にはY1118円まで下がりました。

仕方ないので戻りを待っていましたら、相場全体が持ち直した6月中旬、この株は1300円にまで回復しました。つまり私の配当取りは結果では、計算上、2か月という期間で23円(配当分)と 96円(値上がり分)を得ることができました。つまり、この期間の投資利回りは 23+96=119円÷1204円=9.8% ということになりました。ちょっとラッキーでしたが、配当取りというイベントとしてみると、まあよかったのかなと思います。さらに6月、7月と配当取りは続けてもいいのですが、3月以外の決算月銘柄数が減少してしまいますので、なかなかこれという(つまり、高配当利回りと値上がり期待と)投資対象は見つからないとも思っています。