4月の最終週は東京エレクトロンにとっては慙愧(ざんき)に堪えない週末だったに違いないです。最近株価がだらだらと下げていて、どうもおかしいと感じた向きも少なくなかったと思います。この値がさ優良株が、他の値がさ株が上がっているときに、逆に下げているのですから。そして心配事が表面化した後株価は逆落としのごとく1000円以上一日で下げました。つまりこれほどにインパクトのある材料はなんだったか、、、無論会社の死命を制するだけの悪材料だったのです。つまり、アプライドマテリアル社との経営統合がご破算になってしまったのです。

ユーチューブを見ていますと、東会長の表情は元気がなく、むしろ途方に暮れたようなかんじがしました。それはそうですね、起死回生をかけた統合策が水に流れてしまったのですから。さて、こういう結果(世界の1位と2位の会社の統合が失敗した)が出た以上は投資家は持ち株を売却して逃げ出すしかないのではないかと思われます。会社は同時に1200億の自社株買いのプランを発表したらしいのですが、株価の暴落を防止することはできませんでした。

東京エレクトロンは半導体製造装置の大手です。激しい競争の結果、業界はいつの間にか整理統合されていて、もはや収益チャンスは太陽電池など他の事業に求めるしかなくなったのでしょう。この日米の両者は似ていて、両者ともに太陽電池製造装置に進出していました。東京エレクトロンの経営目標はアプライドにありという明らかなメッセージが何回も東会長の口から洩れていました。つまりアプライドは東京エレクトロンにとって仲のいい兄貴分といったところです。

消費者の利益を侵害する可能性のある「兄弟仲良くというわけにはいかないです」という司法の裁定には心底参りました。最近数年間の利益水準を見てみますと、勢いとか持続性に欠けていて、予想するに株価の下げはなかなか止まらず、そして不人気の状態も続くような気がします。さて、東会長ら経営陣はミスジャッジによって投資家に大きな損害を与えたということ、の責任はとるのでしょうか。