いよいよ待ちに待った強気相場が始まりました。今まで悲観的で、むなしい思いをしていたすべての投資家に笑顔が戻って、勇気が湧いています。今回の強気相場は昨年の11月13日が起点です(日経225=8661.08)ので、すでに3か月を経て、32%も上昇しています。今更ながら強い相場を支持するような発言は控えるべきでしょう。ただいつも思うことですが、毎回、強気相場には共通の現象がありますのでそこのところを少し書いてみます。

好悪材料に敏感: 新聞の見出しやTV解説に素直に即反応して、投資家は売買に走ります。新聞朝刊のヘッドラインに好材料が出れば買い物が集中してくるのです。キャッシュを持つ人が何か仕掛けたくてうずうずしている姿が目に浮かびます。

REIT投信に注目: 世界の金融経済政策レベルに追い付けとばかり、アベノミクスではようやくインフレターゲット設定が行われました。デフレ脱却のきっかけらしき雰囲気が醸成され始め、リートに注目がおよんでいます。

取り合いのIPO: 不人気で、今まで避けてきたIPOの立場が逆転していまや物件不足というような状況になりました。最近のIPOでは、公開価格に比べて、初値が2倍になっています。こうなったら経験則からして、3月だけに予定されるIPO候補銘柄10件に引きつづき買い物が殺到することでしょう。

相場予想比べ: 現職の大臣までがタブーを破って、市場ベンチマークの水準にまで言及している今日この頃です。一流の政治家なら、そこは控えるはずですが、今や恥も外聞もないほど切羽詰また日本経済の台所事情なんでしょう。つれて、毎週のようにエコノミストやアナリストが当たりもしない株価水準の予想ゲームに駆り出されています。

株の話でもちきり: 友達や、先輩、後輩に会うと、昨今では株式投資の話で盛り上がることがあります。やっと塩漬けしていた株や為替が日の目を見てきたと安堵したり、もっと積極的に投資額を増やしたいと言い出したり、にぎやかになりました。若い人たちは、バブルと言う、かつてのような熱狂相場を経験したいと言い出します。

資産効果出る: 20年ぶり、あっという間にロケット発進した株式市場は投資家や家計そのものに、余裕や活性化をもたらしています。アベノミクスが実際に効果を出すのは、半年か12ケ月以上先の話ですが、マーケットセンチメントは資産増加の先食いを始めています。

質を問わない銘柄選別: 体質の弱い銘柄の方が株価の戻りが強いのです。投資家は銘柄の質を問わないでやみくもに日本の市場に再参入しています。これは、弱気市場からの反射的リバウンドで、“一番バスに乗り遅れるな“と、理性よりは、パワーのドライブが内外からかかってきているのです。

ヘヴィーローテイション: これが締めです。AKB48ではないですが、円安が止まると、国内関連が、それが落ち着くと、小型株が、というようにブルマーケットは、面白いようにローテが効いています。まだまだ買われすぎてはいない、まだ円安は続くという楽観ムードが支配しています。

私でさえ、以上のような解説をしてしまうのは、それほど今回のリバウンドがドラマチックだったからです。やっとトンネルから抜け出たか、しばらくは財政ひっ迫、規制の重し、などの悪材料には目をつぶることになるのでしょうね。