あの頑固で一徹なファナックもついに外人投資家の軍門に落ちた、と私の印象です。いやいやM&Aのことではなく、ついに「投資家対応の窓口を用意する」と発表したことです。もともとファナックという会社は高収益で世界でも群を抜くロボット用のコンピュータ、コントローラーのメーカーで、収益を上げることで株主に還元していると明確でしたが、アナリストやファンドマネジャーは軽くあしらわれて、今日まで情報を取りにくくて弱っていたのです。

ほかの会社ではCEOや役員が投資家対応のために、その都度会ってくれますが、ファナックはたったの年2回山梨県の本社工場で合同のミーテイングをやるだけ。都内で会見をお願いしてもけんもほろろでした。私は、所属している会社がミーテイングのレポートなしには投資はしなかったので (これぞファンダメンタリストの誉れぞ) ファナックにはなかなか投資ができなかったのです。

そのファナックがついに外国人投資家に負けて、折れて、これからは投資家とのミーテイングはちゃんとやります、自社株買いもします、なんて殊勝なことを言いだしました。二代目の弱さか、または二代目の理解力か。世界でも頑固で方針を曲げない企業(CATのように)は少なくないのに、ここでヤワな側面を見せたファナックには失望です。どうせ突っ張るなら最後まで突っ張ってほしかった。3月25日の日経新聞の「一目均衡」欄 に北澤記者が「自社株買いなどもってのほか」とかたくなに拒否する会社がもっとでてもいい。と締めたのには感心しました。私も信念に基づく頑固を支持します。外国人株主が主張したからと言って何も、、、ですよね。